アイロニカルな視点とパンキッシュな精神。カニエやヴァージルも注目するアーティスト、カリ・ソーンヒル・デウィットの個展がギャラリーコモンで開催されます。

現在、ファッション界で強い影響力を持つカニエ・ウエストとヴァージル・アブローですが、ストリートアート / ポップアート界にも同様のことがいえます。彼らがフックアップしたアーティストが注目されという流れがここ数年続いています。

8月21日（金）より「ギャラリー コモン（GALLERY COMMON）」で展示「TOKYO OLIMPICS」を行う、アメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動するアーティイスト、カリ・ソーンヒル・デウィット（Cali Thornhill DeWitt）もそのひとり。カニエ・ウエストのマーチャンダイズデザイナーや〈オフホワイト〉とコラボレーションをして話題になる一方、世界中で展覧会を開催。そのほかインディペンデント音楽レーベル「Teenage Teardrop」オーナー、アーティスト集団「「WSSF」を主催するなど、多岐にわたる活動でその名を轟かせています。

アイロニカルな視点と、そこに宿るパンキッシュな精神。ブートレグ文化にも通づる創造で発信されるのは、現代における情報社会ならではの問題。そうした強いアンチテーゼを持つ作品が「TOKYO OLIMPICS」に並びます。

本展示では、カリの代表的シリーズである「プラスチック・サインシリーズ」をはじめ、キャンバス、ネオシルクと新作を中心に構成。氏の作品ではおなじみのモチーフである花や地球に加え、パンデミックやレイシズムといった社会問題を想起させるシリアスな作品までが並ぶ刺激的な展示となっています。

一見すると過激な作品ではありますが、その表面だけを見るのではなく、そこに込められたメッセージを想像しながら作品と接してみてください。カリから発せられるメッセージからは、決して他人事ではない身近な問題を感じ取ることができます。そして、アートの可能性とパワーに気づくはずです。

また、8月22日（土）から「ラフォーレ原宿」のセレクトショップ「GR8」では、カリと〈レディメイド（READYMADE）〉のデザイナー・細川雄太氏が手がける新たなコンセプトブランド〈SAINT MICHAEL〉のポップアップも開催するそうなので合わせてチェックを。