STAY HOME期間を経て、男性の間で美容に関する興味が増しているという話をそこかしこで聞きます。つまり、zoomなどで自分の姿が画面に映り、必然的に自分の顔と向きあう機会が増えたので、改めてきちんとしなきゃと思い直した、ということらしいです。
そんな折、パリの総合美容専門店である〈ビュリー(Buly)〉のブティックが骨董通りにオープンします。これは日本における7店舗目、そして路面店としては2店舗目となります。
ブティックの場所は1982年に建てられた煉瓦造りのビルの一角。写真の通り、街並みをにすっと溶け込むような店づくりが最大の特徴です。この場所を見つけたとき、ビュリーのオーナー兼アーティスティックディレクターのラムダン・トゥアミは心を弾ませたと言います。彼が育ったフランス南西部のタルン・エ・ガロンヌ県で、古くから見られる赤煉瓦造りの建物を思い起こさせるものだったためです。
築40年のビルは外壁だけでなく、 街路まで煉瓦タイルが敷き詰められているところが特徴で、それをそのまま店舗の内装にも生かし、街並みにカモフラージュしたように店内にも煉瓦を引き込むことで、道行く人が誘い込まれるような空間を目指しています。
店内は、床から壁まで煉瓦で包まれています。古代の浴場を連想させる煉瓦は、〈ビュリー〉の商品を置く空間として実にしっくりきています。
入って右手の壁には、縦横無尽にディスプレイされた日本製の理化学研究用のガラス管が。
ピンボールゲームのように複雑に組み合わさったガラス管は、お客さま自らが〈ビュリー〉のユイル・アンティークを試していただける遊び心あふれるインスタレーションとなっています。
左手には、クラシックな要素を配したビューティーカウンターが。フランスの家具職人が作ったという壁面から天井に渡るウォールナット材のウッドパネルには、真紅のベルベット生地とギリシア神話の中の水浴のシーンを連想させる石膏リリーフが張り込まれています。
周囲の環境に溶け込むために、店の表にはビュリーの名前も出していないという徹底ぶり。その代わりと言ってはなんですが、店の外に突き出たショップサインとして、〈ビュリー〉のベストセラーのハンドクリーム「ポマード・コンクレット」の巨大なサンプルが。
〈ビュリー〉のお店はどこも全く違うコンセプトで空間作りがなされており、美を求めにやってくるお客様にある意味での夢を見させてくれます。魔法をかけてくれるというか。
骨董通り店も、立地を最大限に生かした素敵な仕掛けがいくつも散りばめられています。ぜひ足を運んで、この空間の匂い、佇まいを感じ、味わってみてください。
オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー 青山骨董通り店
住所:東京都港区南青山5-11-5 住友南青山1F
電話:03-6712-5455
営業:11:00〜20:00 無休
オープン:2020年8月28日(金)