インラインのアイテムに、ディテールやカラーのアレンジを効かせ、独自の視点で味付けすること。“別注”と聞くとこんなイメージを思い浮かべますが、今シーズンの〈ミロック([Milok])〉と〈コパノ86(copano86)〉のそれは、ひと味もふた味も違います。
この度出揃う5つのウェアは、全工程をイチからつくり上げた渾身の共作。つまり、素材やデザイン、縫製に至るまで、本コレクションのために生み出された完全オリジナルアイテムです。
〈コパノ86〉の魅力といえば、アーカイブから着想を得た温故知新なものづくり。こちらはフレンチアーミーに着用されていたライダースジャケットベースに、〈ミロック〉らしいモダンなサイジングにアップデートされています。
素材には、フランスのカーフスエードを採用。これにより滑らかな肌触りと柔らかな風合いが両立されるというわけです。ブラッシングだけで済ませられるイージーケアも魅力的です。
この一着を見て「まさか!」と思った方は、相当な古着フリーク。デザインソースになったのは、トップクラスのレア物とされる、19世紀半ばに〈バーバリー〉が製作したブルゾンです。
ゆったりとしたシルエットに、デッドストックのバーバリーコットンを配したボディからは深い味わいが感じられます。裏面にも当時と同じバーバリーチェックの生地を使用した、全方位死角なしのラグジュアリーな仕上がりです。
程よくルーズな佇まいのこちらは、U.Kアーミーのミリタリーシャツからヒントを拝借。シルク100%の生地に洗いをかけることで生まれた、独特なドレープとシワが特徴です。胸元の立体ポケットは、主張しすぎることなくアクセントを加えてくれます。ショート丈のブルゾンと合わせてレイヤードを楽しむのもアリですね。
ドレッシーに決めるなら、こんなジャケットはいかがでしょう。贅沢にあしらわれたバラシャ生地は、“最高の正装用”とも称される、一級品のファブリック。滑らかでありながら奥行きのある、圧倒的なクラス感が漂います。そこに〈コパノ 86〉独自の切り替えパターンも組み合わされた、唯一無二のマスターピースです。
「BARASHA JACKET」とセットで合わせたいのが、ロイヤルネイビーのサイドスラックスをイメージしたこちら。正統な仕立てに、深いタッグと緩やかなテーパードを施すことで、クラシカルかつ上品な印象に。腰裏にのバックルを備えることでベルトレスを実現した、ハイエンドでコンフォートな一本です。
〈ミロック〉と〈コパノ86〉が培ってきたコンビネーション、そしてファッションへの叡智が遺憾無く注ぎ込まれた本コレクション。一筋縄ではいかない別注アイテムに、是非袖を通してみてください。