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存在意義をなくしたものに光を照らす、青く発光する存在証明。若き現代アーティストの展示が銀座で開催中です。

ふと見上げた頭上に、時折見かける真っ白なアドボード。

存在意義をなくしているかのような物体をファインダーで捉え、トマソン的な作品へと昇華する現代アーティストであり、フォトグラファー木村華子さん。そんな彼女の代表作である“SIGNS FOR [ ]”の展示が、「ソニーイメージングギャラリー銀座」で開催されています。

“SIGNS FOR [ ]”とは、何も描かれていないカラの看板と雲ひとつない青空をアクリル版に出力した写真とネオンライトを組み合わせた青く光る作品シリーズ。

UNKNOWN ASIA 2018でグランプリ受賞後、大阪・台湾・中国で展示を開催。2度目となる今回の東京展では84cm × 120cmに出力したダイナミックな12点もの大型作品が並びます。

この作品を生み出すに至って彼女が自身に課せたルールはこの6つです。

1.デジタル上で合成や消去などの加工をしない。(明るさなどの若干の補正はあり。)
2.雲を写さない。
3.「広告募集」という文字があったらNG。
4.看板部分以外の建物に書いてある文字も極力写さない。
5.看板の背景が⻘空になるシチュエーションでしか撮らない。
6.わざわざ空看板を探しに行くためだけに家を出ない。

「全てのものは存在意義がなくとも、そこに存在している」という彼女のメッセージは、⻘いネオンライトで照らすことによって“そこに在る”ということを明確に可視化しています。

考えれば考えるほど奥行きを感じられる作品群をその目でご確認ください。

INFORMATION

木村華子 作品展 SIGNS FOR [ ]

会期:〜12月3日(木)
場所:ソニーイメージングギャラリー銀座
住所:東京都中央区銀座5-8-1 銀座プレイス6階
電話:058-213-7709
時間:11:00〜19:00
入場:無料
www.eureka-jp.com

木村華子

京都府出身、大阪市在住。同志社大学文学部美学芸術学科卒業。商業フォトグラファーとして広告や雑誌などで撮影する傍、2011年頃から自身のライフワークとして作品制作を開始。 主に「存在する/存在していない」などの両極端と捉えられてい る事象の間に横たわる広大なグレーゾーンに触れることをステイトメントの中心に据え、コンセプチュアルな作品を展開する。近年は写真表現だけに留まらず立体作品、コラージュ、ドローイング、インスタレーションなども手がけている。

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