フイナムでは様々なブランドを取り上げさせていただいていますが、なかでもとくにシンパシーを感じるのが、デザイナーそのもののようなブランド、つまりはすごく個人的なブランドです。
“ごく個人的な動機でつくられたものこそが、結果として多くの人に届くものになりうる”という言説がありますが、すごく同意できます。
というわけで、〈リップラップ(Riprap)〉です。デザイナー西野裕人さんが作る服は極めてパーソナルで、だからこそその温もりが胸を打つ、そんなブランドです。
今回ご紹介するルックビジュアル、モデルには西野さんのお義父様を起用しています。
この座組み、どこかで見たことある??と思ったあなた、相当なリップラップファン、もしくはフイナムファンです。
というのも、2016年の〈リップラップ〉のデビューの際に、フイナムで取材をさせてもらったのですが、その際も西野さんのお義父様に服を着てもらっているのです。
今回のテーマは「RIPRAPPING」。これは“石を積み重ねる行為”という意味であり、その言葉のなかには経験の積み重ねや人の時間の経過も含まれます。
つまりは人生それすなわち、リップラッピングということなのではないでしょうか。
ルックビジュアルとしては、紫陽花色や若草色、イエローチェックなど、東洋的である土着カラーをハンドメイドのテーラリングスーツや開放的なシルエットのシャツ、タフなワークウェアに落とし込んだものとなっています。
ファッション=流行というところからは、大きく距離を取り、地に足のついたコレクションです。それにしても西野さんのお義父様、似合ってますよね。
Photo_Naoto Kobayashi