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名匠ジョージ・ナカシマの没後30周年にあたり企画された展示で、名作グラスシートチェアを拝むべし。

Photo&Styling : Mitsuo Suma(LICHT gallery)

木匠、ジョージ・ナカシマを知っていますか?建築を志し、ル・コルビュジエ、A・レーモンド、前川國男、吉村順三などなど、時代を彩った異才たちとともに、偉大な足跡を残した名匠です。

2020年は没後30年にあたり、昨年「ジョージ・ナカシマ没後30年企画展」が企画されましたが、新型コロナウイルスの影響により、発表が今年にまでずれこみました。

ナカシマが亡くなった後も、〈ナカシマデザイン〉の家具は娘のミラ・ナカシマが引き継いだ米国ニューホープの工房と、四国高松の「桜製作所」の2ヶ所で作り続けられています。

本展では、ナカシマがインドの国立デザイン研究所(NID)にデザインを提供し、1960年代後半から70年代にかけてインドで生産された作品の一つ、ローズウッドのグラスシートチェアを特別に「桜製作所」が復刻、数量限定の展示受注販売が行われています。

以下は「桜製作所」の代表取締役である永見宏介氏氏のコメントです。

インド、アーメダバードにある国立デザイン研究所(NID)は、チャールズ & レイ・イ ームズの推薦によるフォード財団とサラバイ家の支援のもと 1961 年、インド政府によって設立されました。1964 年、来日したナカシマは帰国の途中ここを訪れ、2週間滞在してデザインの指導を始めます。そうして1965年から72年までの僅かな期間でしたが、幾つかのナカシマデザインによる家具がインドで製作されました。半世紀を経てこのたびその中のひとつ「グラスシートチェア」を当時と同じインド産ローズウッドで復刻いたします。ただ、この材は希少なもので、入手がとても困難なために限定製作となりますことをご容赦ください。

インテリア、家具好きならずとも必見の催しです。8月1日(日)まで。

INFORMATION

ジョージ・ナカシマ没後30年企画展

会期:2021年7月24日(土)〜8月1日(日)
時間:13:00〜18:00 ※会期中は毎日営業
会場:LICHT
住所:東京都目黒区青葉台3-18-10 2F
電話:03 6452 5840

ジョージ・ナカシマ / George Nakashima (1905〜1990)
建築を志し、ワシントン大学で林業を専攻するが建築学科へ転向、ハーバード大学大学院からマサチューセッツ工科大学に移籍し建築修士を取得。建築デザイナーとして勤めた後、世界一周の放浪の旅に出る。パリに一年間滞在の間、ル・コルビュジエのスイス館の現場に通いつめる。そして戦前の1934年に来日し、A・レーモンドのもとで前川國男、吉村順三らとともに机を並べた。レイモンド事務所では軽井沢聖パウロカトリック教会の設計を担当、後、建築における創作の限界、統合した表現の追求と自己意識の究極を追い求め、行き着いた先は、もの言わぬ自然・木と向かい合い、木のこころをよむ家具づくり・木匠としての天職であった。
出典:木の仕事・永見眞一著

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