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連載【で、NEW VINTAGEってなんなのさ?】Vol.23 “アレを手に入れるのはラストチャンス!?” ブルックス ブラザーズのB.D.シャツ。

そもそもニュー・ヴィンテージとは?

1990年代、誕生から100年経過している“アンティーク”に対し、その定義は満たしていないけど、価値のありそうな古着を打ち出す際に使われ出した言葉“ヴィンテージ”。いまではさらに、当時“レギュラー”と呼ばれていた80年代以降の古着にも、“ニュー・ヴィンテージ”という新たな価値を見出す動きがあります。本企画ではこの古着の新たな楽しみ方を、スタイルの異なる4つの古着屋が提案。それぞれの感覚でその魅力を語ります。

第23回目も新たに加わった「アームズ クロージング ストア(ARMSCLOTHINGSTORE)」の星野泰平さん。

Text_Tommy
Edit_Yosuke Ishii


星野泰平 / ARMSCLOTHINGSTORE ディレクター
Vol.23_ブルックス ブラザーズのボタンダウンシャツ

―今回ご紹介いただく、ニュー・ヴィンテージなアイテムは?

この企画でいまさら紹介するまでもないかなとも思いつつ、〈ブルックス ブラザーズ(Brooks Brothers)〉のボタンダウンシャツを紹介させて頂きます。そもそも王道中の王道ですし、この記事を読まれる読者の皆さんで知らない人はいないんじゃないでしょうか。もちろん創業から200年を経ているアメリカを象徴するようなブランドということで、その歴史は同ブランドの公式サイトに丁寧に解説されていますし、少しネットを探せば、いろんな情報が出てきます。だからこそ紹介するのは恐れ多いと思いつつ、あえて推してみたいなと。

ブルックス ブラザーズのボタンダウンシャツ ¥11,990〜¥17,490(すべてアームズ クロージング ストア)

―たしかに、どこのお店でも見かけますし、いつでも買えるアイテムというイメージはあります。製造年代による違いって明確にあるんですか?

古着界でも70年代以前のアイテムのクオリティは、ヴィンテージ好きな方達に注目され続けてきました。ではここでいう“ニュー・ヴィンテージ”にあたる80年代以降はどうか? 〈ブルックス ブラザーズ〉のアイコンでもあるボタンダウンシャツでいえば、ヴィンテージに見られる深くラウンドした裾は浅くなり、70年代までではお馴染みの6つボタンが7つに変わります。その中でも、80年代〜90年代に製造された「メイカーズ(makers)」ラインもののクオリティは申し分ありません。ただ、数年前に比べると、この辺りもめっきり見かける機会が減っています。以前はアメリカで仕入れている古着屋に行けば、必ず見かけるようなアイテムだったんですが……これも他アイテムの例に漏れずといったところですね。

ブルックス ブラザーズのボタンダウンシャツ ¥14,190(アームズ クロージング ストア)

―なるほど。モノとしての良さってどこにあるんでしょうか?

〈ブルックスブラザーズ〉のボタンダウンシャツは着丈が長めで、身幅もややゆとりのあるパターンが特徴。数年前まではそのサイズ感が敬遠されることも多かったのですが、最近ではビッグシルエットが浸透してきたこともあって、むしろ違和感無く取り入れられています。また、サイズ表記もネックのサイズと、裄丈で選べることもあって、自分の好みのバランスでサイズ感を選べるのも嬉しいポイントですね。前回紹介した〈ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)〉も競合ブランドですが、そちらのシャツはパターン自体が大き目に着る前提にデザインされたモノも珍しくありません。対する〈ブルックス ブラザーズ〉は常にオーセンティックなアメトラスタイルを提案しているため、着る人間が意図して自分好みのシルエット、スタイルを作ることが可能。要は、どんな年代のスタイルにも馴染ませることができるというワケです。

―となると、自分なりに着こなす楽しみがありますね。

いまだったら70年代風に、フレアデニムと合わせてみても面白いですね。一番イメージとかけ離れているかもしれませんが、70年代の時点で創業150年以上経っているわけで、ヒッピーだって着ていたかも知れませんし(笑)。そのくらい自由に楽しめるシャツなんですよ。前回のポロチノにも共通しますが“日常的に愛用できて、かつ選べる”というタイミングって〈ブルックス ブラザーズ〉の「メイカーズ」で言えば、今後5年間がラストチャンスなんじゃないでしょうか。相場的に何万もするようになってしまったら、気軽に腕まくりして、家で料理したりできなくなってしまいますよね。いまがチャンスです!(笑)

―そう聞いちゃうと、すぐに押さえておかねば! という気分になりますね(笑)

もちろん、いまでも〈ブルックス ブラザーズ〉はボタンダウンシャツを作り続けています。ただ、2000年代にオックスフォードの生地が変わり、2010年代にスリムフィットやモデルの細分化により、いわゆる古着好き・ブルックスブラザーズ好きにお馴染みのボタンダウンシャツは姿を消してしまいました。一応「マディソン(MADISON)」というモデルが一番近いパターンとして残っていましたが、この未曾有のコロナショックもあり〈ブルックス ブラザーズ〉自体が経営破綻。なので、今後もいままで通りのクオリティのアイテムが、世の中に出回るかどうかは不透明。それはつまり、ぼくら古着屋にとっても悩みのタネなワケで……(苦笑)。個人的には新生ブルックスにはしっかり復活して頂くとして、これからもクラシックなアメトラアイテムを、その時々の気分に合わせて着続けたいと思う次第です。

星野泰平 / ARMSCLOTHINGSTORE ディレクター
オーセンティックながらも気の利いたアイテムが見つかり、古着ビギナーから玄人までを虜にする祐天寺の人気店「アームズ クロージング ストア(ARMSCLOTHINGSTORE)」にて、販売やバイイングを中心に、店舗運営業務全般をディレクションしている。またアームズでの勤務の傍ら、フリーでイベントの企画や運営にも携わる。一番好きなジャンルは1980年代以降の〈エル エル ビーン(L.L.bean)〉。
インスタグラム:@armsclothingstore
公式サイト:armsclothingstore.com

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