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写真家・山内聡美の個展が開催されます。トロピカルなモチーフを独特な距離感で捉えた「南国幻想」がテーマ。

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視覚表現である写真について語ろうと思うと、途端に途方にくれる。写真論に長けていないので、“どことなく”や“そこはかとなく”でしか表現できない領域になってしまうから。

ご本人がどう思われるかはわからないけれど、山内聡美さんの作品はいつも“どことなく”渇いた空気感を纏っている、気がする。被写体や対象から一歩引いた独特な距離感は、風景写真を撮るときには必須の能力だろう。そして、ちょっと変わった個性的な被写体を見つける能力の高さにも目を見張るものがある。

ありふれた風景のなかで屹立する独特な被写体を捉えた、山内さんの作品は現実と虚構が混在する「マジックリアリズム」のようでもある。

山内さんの、そんなちょっと魔法がかった作品を集めた個展「Post Palmtree」が3月25日(土)から開催されます。

下記は、個展の案内文です。

「楽園“パラダイス”への憧れは、いつしか南国“トロピカル”への憧れと同化した。憧れはモチーフとなり、創り出せる存在になった。南国『トロピカル』から遠く離れた街中で、そこにあるだけでモチーフは成立する。例え楽園“パラダイス”が成立していなくても、そこが南国“トロピカル”ではなくても、モチーフと人々の関係は存在している。

幼少期を過ごしたアメリカ南部フロリダにて撮影した“this must be the place”、“celebration”、静岡県伊東とフロリダを行き来していた幼少期の体験をコンセプトとした“two locals and the palm trees”。これらの続編とも言える今作は、関東で撮り下ろした<南国幻想>をテーマにした作品。

パームツリーが持つ独特な存在感を淡々と写実的に捉えながらも、そこにはアンリアルに感じるイメージが表現されている」

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写真やアートを楽しむのは、秋だけじゃもったない。写真を観て、あれこれ考えてみてはどうだろう。

Text_Shinri Kobayashi


山内聡美個展 「Post Palmtree」
期間:3月25日(土)〜4月9日(日)(会期中月曜定休)
会場:Cale / Field Sewing Tokyo
住所:東京都港区東麻布3-4-6 1F
電話:03-6441-3661
http://cale.jp

※同会場にて、オープニングレセプションを以下の日時で行います。
日時:3月25日(土)18時〜20時


山内聡美/写真家
神奈川県生まれ。幼少期の8年間をアメリカで過ごす。2006年より都内スタジオ勤務/フォトグラファーアシスタントを経て、2009年よりフリーランスフォトグラファーとして活動開始。精力的に作品を発表する傍ら、主にカルチャー、音楽、ファッションの雑誌/WEB媒体にて活動中。
個展:you were here(2014)、This must be the place(2015)@gallery 360°、Celebration(2015)@gallery 360°

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