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連載【で、NEW VINTAGEってなんなのさ?】Vol.28 “気付いたら、いまの時代にフィット”。 改めて気になるハンティングカモ。

そもそもニュー・ヴィンテージとは?

1990年代、誕生から100年経過している“アンティーク”に対し、その定義は満たしていないけど、価値のありそうな古着を打ち出す際に使われ出した言葉“ヴィンテージ”。いまではさらに“レギュラー”と呼ばれていた80年代以降の古着にも、“ニュー・ヴィンテージ”という新たな価値を見出す動きがあります。本企画ではこの古着の新たな楽しみ方を、スタイルの異なる4つの古着屋が提案。それぞれの感覚でその魅力を語ります。

ショップが入れ替わってリスタートした本連載。第28回目は新たに加わった「ミスタークリーン(Mr. Clean)」の栗原道彦さん。

Text_Tommy
Edit_Yosuke Ishii


栗原道彦 / Mr. Clean オーナー
Vol.28_ハンティング系カモ柄のオールインワン&ジャケット&パンツ

―栗原さんにとっての、ニュー・ヴィンテージとは?

過去に作られて、今は流通しておらず新品で販売されていないモノ。それでいて、価値が付随した価格で取引されていること。これがモノとしてのヴィンテージの条件だと思っています。なので、例えば10年前にリリースされた〈ナイキ(NIKE)〉のエア・ジョーダン1レトロ。これなんかもその条件に照らし合わせれば、もうヴィンテージですよね。そうやって、今の感覚で新たに価値が見出されたレギュラー古着が、ニュー・ヴィンテージなのかなと。とはいえ“ヴィンテージ古着の定義”というのも、海外に比べて日本人の方が厳しいんですよね。〈リーバイス(LEVI’S)〉の501でも66後期以降はヴィンテージじゃないっていう人もいますし。以前、裕(※「ベルベルジン(BerBerJin)」の藤原裕さん)も同じようなことを言っていました(笑)。

―栗原さんといえば「古着サミット」のメンバーですし、誰もが知る凄腕ヴィンテージバイヤー。まさか当連載にご参加いただけるとは!!

いやいや、むしろ個人的にはニュー・ヴィンテージの方が好きかも。ヴィンテージももちろん着るんだけれど、自分がフリーランスのバイヤーとして卸を始めてから、買い付けるアイテムの幅がすごく広がったというのは大きいと思います。それまでは意識していなかったけど、実は面白いと感じるモノも沢山あるし、純粋に選んでいて楽しいんですよね。実際、私物用としてピックするのも、ほぼ1980年代以降のアイテムだし。

ーそんな栗原さんに今回、ご紹介いただくニュー・ヴィンテージなアイテムとは?

巷でも再注目されているようなので、ハンティング・アウトドア用に開発されたカモ柄にフォーカスしてみたいと思います。1970年代位までは、ウッドランドやタイガーストライプ、ダックハンターといった米軍のカモ柄を流用するケースが多く、オリジナルのハンティング系カモが誕生したのは、それ以降。なので、フイナムのメインターゲット層であろう30代〜40代の人にとっては、レギュラー古着としてリアルタイムで見てきているがゆえ“好きな人は好きなモノ”として捉えている人が多いのでは? だからこそいま、「こんなのあったよね」と懐かしさと共に迎え入れてもらえるんじゃないかって。もちろん若い世代にとっては、新鮮なモノとして映るでしょうし。

ーたしかにリアルツリーカモは、カニエ・ウエストの影響から、若い世代の間で人気が出たのも記憶に新しいところ。その次の一手としては、どういったカモ柄がオススメでしょうか?

次の一手という意味では、少しズレちゃうかもしれませんが、まずはアサットカモ。〈シュプリーム(SUPREME)〉や〈ア・ベイシング・エイプ(A BATHING APE)〉もサンプリングしたことで有名ですね。90年代は、トライバルタトゥーに柄が似ているという理由から、トライバルカモなんて呼ばれ方もしていました。アイテム的には、オールインワン(ツナギ)というのがちょっと珍しいかな。こういったハンティング系のカモ柄は一般企業が考案してデザインしているので、ちゃんと商標も取られていて、それがそのまま名称になっています。要は〈アサット(ASAT)〉社の開発したカモ柄だからアサットカモというわけです。

アサットのオールインワン ¥22,000(ミスタークリーン)

続いて紹介するのは、プレデターカモです。タグとボディにプリントされているように、開発したのは〈プレデター(PREDATOR)〉社。名前は“捕食者”を意味し、ハンティングウェアらしくて格好イイですよね(笑)。これは裏地があって中綿も入っているので冬用のハンティングジャケットかな。時代的な背景と運動性を考慮したゆとりのあるサイズ感に、丸みを帯びたシルエットのラグラン仕様。最近のトレンドにもハマりそうですし、使い勝手が良さそう。

プレデターカモのジャケット ¥11,000(ミスタークリーン)

ーこちらのパンツもプレデターカモですか?

ですね。ミリタリー系のウッドランドカモやデザートカモなどと同様に、砂漠やジャングルといった土地ごとの環境や植生、季節に合わせてデザインされているので、その時々の用途によって柄のディテール、カラーリングも変わってきます。それで言うと、このカーゴパンツは葉っぱが緑に茂った春夏用。こういったハンティング系のカモの中ではプレデターカモは比較的見つかりやすいと思います。僕自身が着用することは無いけれど、ベースカラーと柄のバランスが良いので、ファッション的に1番合わせやすいのはコレなんじゃないですかね。

プレデターカモのパンツ ¥11,000(ミスタークリーン)

ーハンティング系カモって、市場価値的にはどれもあまり違いがないんですか?

最初に紹介したアサットカモは、もうすでにジャケットやシャツで基本2万円オーバー。珍しいデザインだと3万円台なんていうのもザラです。ネットオークションやフリマサイトで検索をかけると、検索ワードに〈シュプリーム〉が入っていたりするので、その文脈で探している人も多いんでしょうね。タマ数的にあまり出てこないということもありますが、ストリートブランドにサンプリングされて知名度を得た分、高値で取引されているのが現状。それよりも一般認知度は劣りますが、このリーブスン リムスカモも雰囲気イイですよ。直訳すると“葉っぱと手足”というだけあって、葉っぱが手や足のような形をしているのが特徴です。これは先述の2つと違って、タグに〈モダンカモフラージュ(MODERN CAMOUFLAGE)〉と記されているので、多分こちらがブランド名なんじゃないかな。

モダンカモフラージュのジャケット ¥8,800(ミスタークリーン)

ーミリタリー系のカモ柄に比べると、どれも人と被ることが少なそうですし、柄モノとして取り入れやすそうですね。

先ほど話にも出たリアルツリーカモは、ハンティング系の中では最もメジャーなんですが、ファッションに落とし込むのにはやや難易度高め。ストリート的な文脈でうまく落とし込んでいる人もいますが、どうしても本気度が強くなりがち。それで言うと、この辺はアメカジスタイルと相性が良く、意外なところだとモード系ファッションに合わせても面白いと思います。

―確かに90年代は、そういったアプローチで着こなしている人も結構いましたよね。

今見ると逆に新鮮ですよね。最後はちょっとカモ柄の名称が分からないんですが、これからの時期にも活躍しそうなフリース素材のパンツを。アイビーのようなツル系の植物がデザインされています。股上も深めですし、多分下にサーマルなどを着用した上から穿いた冬用パンツでしょうね。

ロッキーマウンテン サファリギアのパンツ ¥6,600(ミスタークリーン)

―色々と見せていただきましたが、この辺はミリタリー系のカモに比べて見つかりにくかったりするんでしょうか?

ここにあるものは全部、この間の買い付け時に見つけたモノなので、まだ探せば見つかります。しかも値段は1万円前後のモノがほとんどなので取り入れやすい。ただ、ミリタリーウェアと一緒で、あくまでワークウェア。程度の良いモノはなかなか出づらいというのはあります。サイズに関しては基本的に大きめ。今はSサイズよりもXLサイズの方が需要も高まっているし、そういう意味では時代にフィットしているアイテムと言えそうです。

栗原道彦 / Mr.Clean オーナー、ヴィンテージバイヤー
10代の頃よりヴィンテージショップで働き始め、その後、原宿の名店「ロストヒルズ」のバイヤーに。2011年に独立し、フリーランスとして活動したのち、富ヶ谷に「ミスタークリーン」をオープン。またヴィンテージバイヤーとして、1年のうち約180日間はアメリカへ渡って買い付けを行う強者。その豊富な知識と確かな目利きにより、フイナムの名物企画「古着サミット」では初回からレギュラーメンバーを務める。
公式サイト:www.kurikurivintage.shop-pro.jp
インスタグラム:@mrcleantomigaya

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