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【FOCUS IT.】アイウェアがつなぐ、ひとやモノ。ユウイチ トヤマ.の想いと、新たな価値観に触れられるザ・ロビー トウキョウ。


〈ユウイチ トヤマ.(YUICHI TOYAMA.)〉は、シンプルでありながら独自の存在感を放つメガネをデザインし、鯖江の職人による確かな品質で、世界中から高い評価を受けているオプティカルブランド。

今年、前身となる〈アッシュ(USH)〉からブランド名を改めて5年の節目を迎えました。

そこでオープン時にフイナムでも取材した、ブランドのショールームであり、コーヒーショップであり、アイウェアのメンテナンスを行っている「ザ・ロビー トウキョウ(THE LOBBY TOKYO)」を訪ねて、デザイナーの外山雄一さんとショップマネージャーAYAさんに話を聞いてみることに。

多角的に提案するお店や、昨年ローンチされた新ブランドには、どんな想いが詰まっているのでしょう。

ジャンルに固執することなく、ニュートラルに。

ー「ザ・ロビー トウキョウ」はオープンから4年経ちましたが、大きな変化はありましたか?

外山:コーヒーショップとメガネのメンテナンスと〈ユウイチ トヤマ.〉のショールーム。その3つを軸にしてきましたが、昨年ローンチしたサングラスブランド〈ミレー(mille)〉の販売も開始しました。お客さんのフィッティングにしっかり対応できるように、バリスタの彼女がメガネの加工から調整まで、専門的なことを勉強してスキルを身につけてくれたんですよ。

AYA:お店は私ひとりで営業することが多いので、自分でできることを増やしたくて、いろいろと教えてもらいました。

外山:福井にも行ったよね。

AYA:鯖江の工場見学に行きました。機械を見せてもらったり技術について聞いたり、メガネづくりは大変な作業だと身をもって知ることができたし、鯖江の職人さんたちのメガネに対する想いを強く感じました。

ー調整などを勉強してみて、いかがでしたか?

AYA:街ですれ違う人のメガネが”ちょっとズレているな”って気づけるようになり、改めて掛け心地の大切さを痛感しました。顔の形は人それぞれで、幅や耳の高さによって調整するポイントが変わるので、慣れてくるまでは大変でした。ストレスなく掛けていただけるスムーズな調整ができるよう今後も頑張ります。

ー店頭では積極的にイベントを開催していますよね。しかも、ジャンルレスに。これまで印象に残っているポップアップはありますか?

外山:2020年に、ラッパーのKOHH(コー)くん率いるショップ「ドッグス(Dogs)」と〈ユウイチ トヤマ.〉がコラボレーションしたときのローンチイベントに合わせて、写真家の夢 一平さんの写真展を同時期に開催し、さまざまなジャンルのひとたちが集まってくれたのが個人的に印象深いです。

AYA:私は、去年開催した〈ミレー〉のローンチイベントですね。いままで少なかった女性の方や20代の若い方が増え、より客層が広がりました。アイウェアをお客さんに直接販売することで、リアルタイムでユーザーの声を聞けるのはとても参考になります。


ーイベントの開催には、どんな思いを込めていますか?

外山:ぼくは音楽とかアートに自然と触れてこられたからなのか、カルチャーに年齢の垣根を感じたことがないんです。だから〈ユウイチ トヤマ.〉と〈ミレー〉は年齢を問わないブランドにしたいし、「ザ・ロビー トウキョウ」もいろんな世代が集まる場所にしたい。今後もジャンルに固執することなく、いろんなひとが集まるポップアップを開催したいと思っています。

AYA:私のほうからイベントを提案させてもらうこともあるんですけど、アイウェアの購入に直接繋げるというより、ブランドを知ってもらうきっかけになるだけでもいいと思っていて。実際にアパレル関係の方がイベントでブランドを知ってくれて、“スタイリングで使いたい”と声をかけてもらったこともありました。

外山:アンバランスな組み合わせのイベントで、自分たちのブランドに触れてもらいたいです。そういった入り方ができるのが、「ザ・ロビー トウキョウ」の価値に繋がっていると感じています。

ー新たな発見を得られるのがコラボレーションの魅力ですよね。

外山:メガネって、デザインの流行はあるものの、本質に大きな変化はないんですよね。でも、メガネを掛けるという行為自体の考え方を変えるだけで、新しい価値が生まれます。そういう発見がある場所にしていきたいですね。

ー普段は、どんなお客さんが多いですか?

AYA:近隣の会社の方や近所に住んでいる方がふらっとコーヒーを飲みに来てくれるし、〈ユウイチ トヤマ.〉のユーザーさんもたくさんご来店いただいています。ショールームとして〈ユウイチ トヤマ.〉のフルラインナップが揃っているので、試着しに来てくださる方も多いです。

ーお店のインテリアも洗練されていて…コーヒーを飲みに通いたくなる気持ちが分かります。

外山:〈ユウイチ トヤマ.〉のコンセプトは“ニュートラル”。伸び代を持って進化し続けることをモットーにしているので、「ザ・ロビー トウキョウ」もメガネだけに固執しないお店づくりを意識しています。手前はギャラリースペースで奥はコーヒーショップ、と前後で異なる表情を考えました。

ハンドドリップコーヒー
シドニー発のロースター、「シングルオー ジャパン(Single O Japan)」の豆を使用して、丁寧にドリップ。毎月変わるので、何度も足を運びたくなる。

ー店内のクリーンな印象からも、“ニュートラル”を感じ取れます。

外山:メガネのテンプルの先端にもアクセントで入っているんですけど、ブランドのコンセプトカラーがホワイトなんですよ。ホワイトは、何色にも染まる“ニュートラル”なカラーなので。赤に触れると赤くなるし、そこに緑が足されると茶色になる。だから店内もホワイトをベースにしています。

ー他の色と交わって、新たな色を生み出す。まさにポップアップのコラボレーションで新たな価値を発見できる場所としてぴったりの色だと思います。

多様化するニーズに寄り添うデザインを。

ー昨年は〈ミレー〉に加えて、〈ユウイチトヤマ:ファイブ(YUICHI TOYAMA:5)〉と〈ユウイチトヤマ/ディー(YUICHI TOYAMA / D)〉の新ラインも立ち上げました。その経緯についても教えてください。

外山:以前から、掛けることで気持ちを豊かにするメガネをつくることをモットーにしていました。コロナ禍になって、仕事も生活も生き方もひとそれぞれ多様化して、自分たちのやりたいことだけではなく、使うひとたちにもっと寄り添えないか? と考えた結果、生まれたのが〈ユウイチトヤマ:ファイブ〉です。

鯖江の5人の職人とタッグを組み、デザイン性と掛け心地を追求するために、すべてのパーツをオリジナルで製作しました。ねじ山の潰れにくいオリジナルのヘキサゴンねじを開発して、カード型の専用ドライバーも付けているから、誰もが自分でメンテナンスできる設計になっているんです。

ーレザー製品のように自分でメンテナンスすると愛着が湧くし、バイクや車を自分で調整できるひとはかっこいいですよね。それと似ている気がします。

外山:〈ユウイチトヤマ:ファイブ〉で表現しきれない部分は〈ユウイチトヤマ/ディー〉が担っています。最近よく見るヨーロッパやアメリカのクラシックなフレームではなく、日本らしい美しさを追求しています。日本の民藝品を見ながら、ソリッドだったり独自の丸みがあったりするデザインに仕上げているんです。

ー禅の精神や侘び寂びといった、日本人ならではの引き算の感性ですね。〈ミレー〉はレディースのサングラスブランドですが、それもまた違った感覚でデザインされているのではないでしょうか。

外山:〈ミレー〉はぼくともうひとりのデザイナーもいて、AYAちゃんをはじめとしたスタッフがチームとして、みんなの意見を積極的に取り入れながらデザインしています。

AYA:私は女性目線で欲しいカラーや形のイメージを意見させてもらっていて、「ザ・ロビー トウキョウ」に来てくださるお客さんからの声もそのまま伝えています。

外山:一般的なメガネ屋さんのスタッフはどちらかというと男性が多いなか、AYAちゃんがフィッティングを勉強してくれたのはブランドの強みになっていて。女性がいるとお客さんも安心して会話してくれます。そのときに出たアイデアを大切にしたいですね。さまざまな方向からの意見をストレートに反映したブランドでありたいです。

ー「ザ・ロビー トウキョウ」から、さまざまなことが派生しているんですね。今後はどんなお店にしていきたいですか?

AYA:まだまだ学ぶことはたくさんあります。とにかく楽しみながら接客させてもらっているので、来てくれるひとたちがこの先も通いたくなる場所にしていきたいです。とくに用事がなくても、ふらっと来てもらえるような憩いの場になればいいなと思います。

外山:AYAちゃんの話を聞いていると、ここでひとと出会うことを楽しんでいて、ぼくもひととの出会いに大きな意義があると思っています。「ザ・ロビー トウキョウ」の価値は、お店じゃなくてひとだと思っています。

AYA:普通のメガネ屋さんとは違った観点で、アイウェアに興味を持ってもらいたいです。今後はアイウェアだけに特化せず、YouTubeで発信していくことも考えています。

外山:ぼくは今年、メガネのデザインをはじめて30年を迎えます。もっと可能性を広げるために、ぼくとは違う考え方を持ったみんなでブランドをつくり上げて行きたいです。「ザ・ロビー トウキョウ」をオープンして感じるのは、デザインだけがクリエイティブなんじゃなくて、環境を整えることもクリエイティブだということ。こういう場を提供したら、どういうものができ上がるんだろう、と。これからも想像以上のものが生まれることを楽しみにしています。

Photo_Yuma Yoshitsugu
Text_Shogo Komatsu

INFORMATION

THE LOBBY TOKYO

住所:東京都渋谷区猿楽町5-8 リオンドール代官山1F
電話:03-6416-9034
時間:11:30〜19:00(*不定休)

オフィシャルサイト
Instagram:@thelobbytokyo
YouTube

YUICHI TOYAMA.
mille

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