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ただ気ままに歩き回る”ランブリング”。カレドアーは、そんな大衆的かつ私的な行為を楽しむひとに向けたアパレルブランドです。

渡辺産業株式会社」は1962年の創業で、クラフトマンシップを重んじたイギリスのブランドや文化を、日本市場へ伝え続けてきた企業。

自転車乗りに愛されているブランド〈ブルックス イングランド(BROOKS ENGLAND)〉や、馬具用の革を使用したグッズを展開する〈グレンロイヤル(GLENROYAL)〉が代表的でしょうか。

そんな誠実で信頼のおける企業から、このたび新しいブランド〈カレドアー(Caledoor)〉がデビューしました。

キーワードは”ランブリング”。どこに行くわけでもなく、目的があるわけでもなく、ただ歩くことを楽しむ行為を指します。

〈カレドアー〉はそんなランブリングをより楽しめるプロダクトを提案していくのだそう。以下にてコレクションルックを見ていきましょう。

プロダクト製作において考えたのは、歩く距離・時間・天候。歩くうえで、2kmか10kmかではスピードや動かす筋肉が違いますし、晴れか雨かで身体の体温やコンディションは変わってきます。

そこで2,3時間のランブリングを想定した「Short Ramble」と、1日がかりの長距離ランブリングを想定した「Long Ramble」に分けて、プロダクトを用意しました。それぞれ素材や機能の足し引きを行っていて、大きく見た目は変わりませんが、使えばその意図を肌で感じることができるはずです。

デザインについて言うならば、ベーシックでありながらも、手足の可動を意識したややゆったりめのフォルム。かと言ってもたついていません。随所にならではのあしらいがあるのも見逃せません。

そして歴史ある定番品をモディファイしていますが、時代や国をあまり想起させない新鮮さもあります。

一通りみたところで、そもそもなぜいまランブリングか、という疑問を解消しましょう。

遡ること1850年。イギリスの詩人・ウィリアム・ワーズワスが『Prelude』という自伝的詩を同年に発表しました。そこに収録されているウェールズへの旅の記憶を綴ったポエム「Tintern Abbey」は、当時のひとびとを歩く旅へと駆り出したそうです。その後、産業革命が起こると、窮屈な都市部に住むひとびとは自然を求めて広大な土地の広がるカントリーサイドへ。1930年代にはイギリス内で50万人もの歩く旅人が各地を巡りました。

そしてコロナに見舞われた昨今。屋外レジャーへの関心が高まったことや、働き方改革による余暇の増加といった状況は、偶然にも1930年代の時代感とクロスオーバーしたのです。

はじめのコレクションはブランドの指針を示す、いちばん重要な段階。〈カレドアー〉はそのブランドキーワード同様、欲張らず、気取らず、ラフなスタンスでありながら、たしかな信念を含ませてプロダクト製作をおこないました。以後お見知り置きを。

Photography_Kiyotaka Hatanaka
Styling_Hidero Nakagane
Hair_Takuya Baba
Make-Up_Taeko Suda

INFORMATION

Caledoor 2022SS COLLECTION

公式サイト
公式インスタグラム

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