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連載【で、NEW VINTAGEってなんなのさ?】Vol.45 “テック系ギア好きを虜にする”あの頃のオークリーのフットウェア。

そもそもニュー・ヴィンテージとは?

1990年代、誕生から100年経過している“アンティーク”に対し、その定義は満たしていないけど、価値のありそうな古着を打ち出す際に使われ出した言葉“ヴィンテージ”。いまではさらに“レギュラー”と呼ばれていた80年代以降の古着にも、“ニュー・ヴィンテージ”という新たな価値を見出す動きがあります。本企画ではこの古着の新たな楽しみ方を、スタイルの異なる4つの古着屋が提案。それぞれの感覚でその魅力を語ります。

なんだかんだ6シーズン目に突入した本連載。というワケで、今回からショップが入れ替わってリスタート。トップバッターとなる第45回目は「サマー オブ ラブ(Summer of love)」のSHUNさんの2巡目。

Text_Tommy
Edit_Yosuke Ishii


SHUN / Summer of love オーナー
Vol.45_オークリーのフットウェア

―さて、今回紹介いただくニュー・ヴィンテージなアイテムとは?

〈オークリー(OAKLEY)〉のフットウェアになります。ウチでは以前からアイウェアはもちろん、アパレルやバッグ、キャップなどの小物類も展開していました。そもそも〈オークリー〉といえばアイウェアというのは周知の通りですが、実はアパレルにも面白いものがあると注目していたところ、他でも取り扱うショップが増えたため、フットウェアにスポットを当ててみようなかと。

―今回は、2足ご用意いただきましたが、それぞれどんなモデルなのか教えてください。

まずはこちら。「オークリー フレッシュ(Oakley Fresh)」といって、90年代末から2010年頃まで販売されていたモデルです。今年5月に〈ブレインデッド(Brain Dead)〉とコラボして約10年ぶりに復刻されたことでも話題になりましたよね。このオリジナル版ではアッパーに、〈ナイキ(NIKE)〉AJシリーズなどにも使われていた合成ヌバックのデュラバック素材が使われていました。これも同様で、かなり劣化してしまってはいますが、なんとなく迷彩柄にも見えるし、むしろアリ! ちなみにソールは剥離していたので、再圧着して履ける状態に修理しています。

オークリーのフットウェア ¥38,500(サマー オブ ラブ)

―なるほど。たしかに絶妙なヤレ感です。そんな〈オークリー〉のフットウェアの特徴を挙げるとすれば?

ウチでもこれまで何種類か販売しましたが、それらの共通点を挙げるならソール。基本的に厚めで、流線型などデザインがユニークなモノが多くて“ならでは感”があります。中でもこのモデルは、プレミア価格で取引されるほど人気で、〈ブレインデッド〉のコラボモデルも定価¥22,000が、今では¥100,000近くにまで高騰。そもそも国内でのリリース数も少なかったようで、〈ブレインデッド スタジオ ハラジュク(Brain Dead Studios Harajuku)〉と〈ピルグリム サーフ+サプライ(Pilgrim Surf+Supply)〉の両方で販売されて、ともに即完売でした。また国内以上に海外での評価が高く、イギリスをはじめとした欧米では、テック系のヴィンテージギアを集めているマニアの間で人気の模様。〈アークテリクス(ARC’TERYX)〉や〈ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)〉のシェルジャケットに合わせるのが定番みたいですね。

―もう1足の方は、90年代後半〜00年代の〈グラビス(GRAVIS)〉にも近しい雰囲気を感じます。

こちらは2001年位のモデル。たしかに当時流行っていたアフターシューズ感覚だったのかもしれませんね。デザイン的にはサイドのメタルパーツや大胆なアッパーの切り替え、ボードカルチャーの匂いがするソールなど、随所に当時の空気感が感じられて、かなり興味深いですね。またこの配色もヤバくって、見ようによっては体育館シューズみたいな雰囲気もありつつ(笑)。ちなみに箱付きデッドストックです。

オークリーのフットウェア ¥19,800(サマー オブ ラブ)

―先ほどアパレルの話もありましたが、そちらはどんな感じなんですか?

シャツなんかはアメカジっぽいデザインも見つかりますが、00年代前半はシンプルなデザインが多いですね。柄物だとしても、比較的プレーンで使いやすいですし。〈オークリー〉のアパレルって、アメリカ人のオッサンが普段着にしているような何でもない雰囲気のようで、よく見たら端の処理が全部カットオフになっているなど、“ほんの少しだけデザイナーズウェアから汲み取ったニュアンスが感じられる”んですよね。その塩梅が絶妙にちょうど良くって、服好きが見ても面白いと思います。

―SHUNさんと同世代の間でも、〈オークリー〉に注目している人は多そうですね。

ぼくの周りでは、ここ1年位で興味を持ったという声が多く聞かれます。ただ、ぼく自身は随分前から掘っていたので、一度もう消化し終わった感じで……(笑)。とはいえ、今後また復刻されるというリーク画像も出てきていますし、この熱は冷めやらず継続していくのではと考えています。ウチでもスニーカー以外に、ミュールタイプやブーツタイプもストックしているので、タイミングで出していこうかなと。また、アパレルではシェルジャケットが面白いので、その辺も合わせて注目したいと思っています。

SHUN / Summer of love オーナー
作り手の意匠に感じるトキメキを大切にし、デザイナーズクロージングを幅広くピックアップ。 それらをSoL独自の解釈により新しいビジュアルにブラッシュアップ。これにより“ヴィンテージ”の今日的な提案を行うユーズド・セレクトショップ「サマ― オブ ラブ(Summer of Love)」の若きオーナー。現在は、本連載に以前登場した「ブルールーム(blue room)」と共に、渋谷で実店舗を運営中。また今年9月には別名義のオリジナルレーベルもスタート。1stコレクションではニット素材のセットアップ、フェイクスウェードのセットアップなどを発表予定。
公式サイト:summeroflove-sumday.shop
インスタグラム:@___summer_of_love___

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