ミリタリーやワークのエッセンスをベースに、洗練されたタイムレスなコレクションを手掛ける〈MHL.〉は〈マーガレット・ハウエル（MARGARET HOWELL）〉のカジュアルラインとして2003年にスタート。現代の日常をワンランクアップさせる着こなしを提案するため、スタイリスト井田正明さんを招き、おすすめのキーアイテムと井田さんの私服を混ぜた、デイリーでアイコニックなスタイルを紹介していきます。最終回の4回目は、風合い豊かで、表情が異なる服をメインに、遊びの効いた冬スタイルを提案します！
〈MHL.〉チャンキーコットンニット ¥36,300（MHL.）
ヴィンテージのニットジャンパーから着想を得て生まれたワイドストライプのニットは、クラフト感のある一着。ニュアンスのある色使いと丁寧に編み立てられたつくりが、ハンドニットのような風合いを醸し出します。編み糸は、糸の中心に隙間のある、軽くて膨らみのあるコットンを使用。一枚一枚ゆっくり編むことで、温もりを感じる優しい表情をつくっています。ラグランスリーブのデザインを生かした特徴的なスクエアネックは、クルーネックやタートルネックのTシャツをのぞかせて着るとこなれ感たっぷり！ そんな上質なデザインや表情をもとに、井田さんはスタイリングのイメージを表現しています。
〈MHL.〉ニット ¥36,300、スカーフ ¥7,150（すべてMHL.）、その他スタイリスト私物
「このシックな色と生地感だけで洗練されている着こなしになるので、シンプルでモダンな雰囲気になるように意識しました。スクエアネックを生かして、肩の肌感を見せて少し色気を感じさせながら、ラフになりすぎないように、バイカラーのスカーフを差してファッションっぽくバランスを調整。全体的に、色数を絞って配色をまとめて大人っぽさをキープしながら、スニーカーで抜けをプラスしています」
〈MHL.〉タフコットンナイロンコート ¥71,500（MHL.）
イングリッシュ・フィッシャーマンのジャケットからインスパイアされたコートは、Aラインのスウィングシルエット、幅が広いスタンドカラー、大きなパッチポケットなど、アイコニックなディテールが特徴。長めの着丈と中綿仕様により、いまの気分に合う新鮮なボリュームシルエットを実現！ タテ糸にコットン、ヨコ糸にナイロンを使い高密度に織ることで、独特のハリとドライなタッチを生み出しています。「街で見かけるリアルさ」を意識して、井田さんは古着とのコンビネーションを提案！
〈MHL.〉コート ¥71,500、トラウザーズ ¥39,600、シューズ ¥8,800（すべてMHL.）、〈マーガレット・ハウエル〉バッグ ¥39,600（マーガレット・ハウエル）、その他スタイリスト私物
「シンプルな顔立ちだけど、立体的なスタンドカラーやポケット、中綿のボリュームなど、アウターとして存在感があります。コーディネートは、“カジュアル”“アクティブ”“リラックス”といった軽さを表すキーワードで組もうと考えました。古着のカレッジスウェットやコーデュロイパンツ、ベースボールキャップを合わせて、色味も明るめにしてメリハリをつけて。この連載の中でいちばんキャラ立ちしたスタイルが出来上がったと思います」
〈MHL.〉ミリタリーメルトンコート ¥93,500（MHL.）
50年代のイギリス軍のミリタリージャケット「フェアノウトジャケット」をデザインソースにしたショートコートは、大きな腰ポケットや幅の広い前立て、ラウンドした衿の形状、フロントのボタン間など、シンプルにまとめながらも、こだわりのディテールがつまった個性あふれる一着です。丈を短めにしたボックスシルエットにより、重ね着が映えるデザインで、上品ながら軽快な印象もプラス。ローテクで丁寧に織られたヘビーメルトンは、肉厚ながら柔らかさのある良質な肌触りで、着るたびに高揚感を与えてくれます。羽織るだけでスタイルを大人っぽくモダンに仕上げる深みのあるネイビーも魅力です。井田さん曰く「完璧なコート」を、どのように日常着に落とし込むのか──。
〈MHL.〉コート ¥93,500、ニット ¥19,800（すべてMHL.）、その他スタイリスト私物
「ネイビーという色も柔らかいヘビーメルトンも愛嬌のあるデザインも申し分なし。僕の中で勝手に、足し引きの必要がない完成されたコートだと思っていて、余計なことはしたくなかったんです。素材感で奥行きを出すために、モックネックの白いインナーニットにカーキのインナーダウンを重ねて、きれいでアーバンな着こなしに。かっちりと抜けのバランスでいまっぽさを追求しました。今回の連載では、毎日コーディネートを組む際の『どう着こなすか、どう崩すか』を自由な発想で考えることをテーマにしていました。いまは“自分が好きなもの＝カッコいい”を発信できる時代だからこそ、多くの人にファッションを自由に楽しんでほしいと思っています」
Styling_Masaaki Ida
Photo_Taro Hirayama
Hair & Make-up_Katsuyoshi Kojima（TRON）
Model_Mikiya Nakano
Text_Hisamoto Chikaraishi（S/T/D/Y）
Edit_Daiki Yamazaki（Rhino inc.）
