Originally Published in 1967, by Kulchur Press © Gerard Malanga
過去・現在・未来をフラットな視線で見つめ、様々な形のアートをキュレーションしている恵比寿の「POST」。この度、1967年に出版されたアンディ・ウォーホルとジェラード・マランガによる『Screen Tests / A Diary』の復刻版が「POST」より刊行されます。
現代美術・芸術写真の文脈で重要な意義を持つとされている、マスターピース『Screen Tests / A Diary』の説明を少々。
1960年代、アンディ・ウォーホルがニューヨークのマンハッタンに構えた作品制作スタジオ「ファクトリー」には、ミック・ジャガーやルー・リード、トルーマン・カポーティやアレン・ギンズバーグなどなど、ウォーホルの友人、知人が昼夜を問わず集うサロンとなり、ニューヨークのカルチャーシーンの中心地となっていました。
その「ファクトリー」でウォーホルと写真家のマランガが訪問者たちを被写体に、固定した16ミリカメラで彼らのバストアップを撮影した映像作品が「Screen Tests」です。
Lou Reed from [Screen Tests / A Diary] © Gerard Malanga
NICO from [Screen Tests / A Diary] © Gerard Malanga
そのフィルムの一部をプリントした写真と、詩人でもあったマランガの散文詩がページを彩った作品集が冒頭で紹介した『Screen Tests/A Diary』なのです。
Gerard Malanga from [Screen Tests / A Diary] © Gerard Malanga
当時はほとんど売れず、刊行から数年経っても過剰な在庫を抱えていた出版社は断裁処分をした結果、現存数が極端に少なく、古書市場では50万円以上するレアブックになっていました。
Salvador Dali from [Screen Tests / A Diary] © Gerard Malanga
Allen Ginsberg from [Screen Tests / A Diary] © Gerard Malanga
本作は60年代のアメリカ文化を築いた人々のポートレートの集合体でもあり、そういった意味でも非常に価値のあるアートブックと言えるでしょう。初版が刊行されてから50年目にあたる2017年に復刻を果たしたことは非常に喜ばしいことなのではないでしょうか。
この復刻版は日本限定での発売で、世界で唯一入手が可能なのは日本国内のみとなっています。
また、本書に収録されたポートレート写真と散文詩を用いたインスタレーションで構成された展覧会も「POST」にて開催されます。
半世紀前に結実した、貴重なアートの記録をお見逃しなく。
Text_Ryo Komuta
Screen Tests / A Diary
会期：5月12日（金）～6月4日（日）
会場：POST
住所：東京都渋谷区恵比寿南 2-10-3
時間：12：00〜20：00 月曜休
Screen Tests / A Diary
2017年5月12日発売
テキスト：河添剛
デザイン：田中義久
企画・発行：POST（株式会社limArt）
本体価格：4,800円+税
ソフトカバー/253mm x 188mm /216ページ/53図版
※2,000部／日本限定販売
Copyright © 2017 Gerard Malanga
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