ファッションに限って言うなら、日本もまだまだ健在。アジア諸国から羨望の眼差しを向けられることも少なくないです。一方で、ほかのアジアの国にも勢いのあるブランドは数多く、なかには日本での知名度はまだまだだけど世界的には名が知られている、なんてブランドもあったりします。
ここで紹介するマレーシア生まれのブランド〈Water The Plant(ウォーター ザ プラント)〉もそのひとつ。2020年に設立されて以降、本国をはじめイタリアやイギリスで加速度的に支持を得ていて、2022年10月、満を持して日本上陸を果たしました。
デザイナーはマレーシア生まれのロナルド・チュー(以下、ロン)。師走に来日した彼のインタビューを通して、そのブランドの正体に迫ります。
ーまずは、〈Water The Plant〉のコンセプトからお聞かせください。
ロン:2020年からコロナになり、みんな疲弊して世界的にも暗いムードが漂っていたから、少しでも社会に貢献できるブランドを作りたかったんです。なので〈Water The Plant〉のコンセプトはセルフグローと、セルフラブなんです。
ー「自身を愛する」ことと「成長していく」ということですね。
ロン:そうですね。それと、植物には水が必要不可欠だから、その意味も込めています。お客様にとっての栄養となれるようなブランドになれたらいいなって。
ーブランドロゴをはじめ、内装のいたるところにSMILEYが用いられていますよね。
ロン:〈Water The Plant〉のブランドを作ろうと思い立って、そのほとんどが完成したタイミングで、「SMILEY®️」側から連絡がきたんです。ブランドのコンセプトだったりデザインが「SMILEY®️」とフィットするから一緒にやらないかと。
ー逆オファーだったんですね。
ロン:そうなんです。
ーいま、欧州を中心にアジアへも進出するなかで、ここ日本を、次の出店先として選んだ理由はなんだったんでしょう。
ロン:やっぱりアジアのなかでファッションと言えば、日本が一番だから。その認識はぼくだけじゃなく、ほとんどのマレーシア人がそういう認識だと思います。
それとマレーシアって年中暑い。一年中夏だったら、冬服なんて要らないでしょ?(笑) その点、日本は四季がしっかりしていて、ファッションを楽しむ環境が整っているし、ファッションに対しての感度も、みんな高いですからね。
ー出店先が「ラフォーレ 原宿」であることも、なにか理由があったんでしょうか。
ロン:ここが原宿のセントラルだし、ファッションのセントラルでもあると思ったんです。それと「ラフォーレ原宿」であればいろんなジャンルの人が来てくれて、幅広い層にメッセージを届けられると思って。
ー内装も特徴的ですよね。
ロン:ぼくはお客様に服だけを提供するのではなくて、ブランドコンセプトのすべてをメッセージとして届けたいと思っているんです。ここはバックヤード(裏庭)をイメージして作っているんだけど、カラフルな植物があって、空も綺麗。〈Water The Plant〉は、そうしたリラックス感と気持ちいい場所が似合う服だから、その世界観を表現しているんです。
ーありがとうございます。おすすめのアイテムも、いくつか紹介していただけますか?
ロン:まずは、このスニーカー。数あるアイテムのなかでも1番売れていて、シンガポールとマレーシアではかなり人気がありますね。日本には数量限定でしか入っていないけれど、反応も上々。ストリートスタイルにもバッチリハマるし、とても履きやすいんだ。
ーウェアでもおすすめはありますか?
ロン:このジャケットはブランドのシグネチャー。生地は少し分厚く見えるかもしれないけど、適度な薄さになっているんです。四季がないマレーシアでも着られるくらい。日本の冬の場合、下にフーディとかを着るとちょうどいいくらいだと思う。裏にはアイスクリームとスマイルが描かれているんだ。
ー〈#FR2〉ともコラボされているんですね。
ロン:そうそう。これは11月から販売しているもので、これで〈#FR2〉とのコラボは3回目なんです。
ー〈#FR2〉とロンさんおふたりはどういうご関係で?
ロン:涼さん(〈#FR2〉デザイナー)がマレーシアに来ていたときに、知人から紹介してもらったんです。そこで、ぼくのブランドであったりデザインについて話していたら「考えが似ているね、だったら一緒にやろうよ」と言ってもらってコラボが実現したんです。来年の1月にはまた、〈#FR2〉とのコラボレーションが登場するので、お楽しみに。
ー本日はお時間ないなか、ありがとうございます。日本での成長も楽しみにしています。
ロン:今後は日本での認知度も高めて、ローカルブランドともコラボレーションもしていきたいと思っています。なので、日本のみなさん、よろしくお願いします。Terima kasih!(マレーシア語で「ありがとう」の意)