「ベルジュラック」はフランス南西部のワインの産地から採った名で、ワイナリーで働く農夫のワークブーツに着想を得ているという。
ノルヴェイジャン製法で仕上げた6アイレットのブーツは農夫の足元を支えるに相応しい風格がある。ソールはマルシェ Ⅱ。カンファタブルな履き心地に定評のある〈パラブーツ(PARABOOT)〉を象徴するラバーソールだ。木型は「シャンボード」のそれを採用。丸みを帯びたシルエットは確かに「シャンボード」を彷彿とさせる。
〈パラブーツ〉といえば近ごろはデッキシューズやローファーが人気だが、アルプス山脈の麓の小さな村、イゾーで呱々の声をあげたこの老舗のはじめの一歩は登山靴だった。ノルヴェイジャン製法も内製されるラバーソールもそのような歴史から生まれたものである。
アメリカのワークブーツにはない洗練された佇まいは〈パラブーツ〉ならではだろう。
色は黒と茶があるが、農夫気分に浸りたいなら茶だ。その茶は深く、ぬめるような赤ワインを思わせる。アッパーは艶感のあるスムースレザーだ。
これまでなかなか日の目を浴びることのなかった「ベルジュラック」。ワークブーツらしからぬ美しいフォルムは〈パラブーツ〉ならでは。各¥79,200
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa