若者文化の象徴といわれる街、東京・渋谷。
振り返ると80年代後半から若者ファッションを支配した “渋カジ” や90年代の “渋谷系” とカテゴライズされる音楽ムーブメントなど、日本を席巻するようなストリートカルチャーがそこで生まれました。
この街にいくつかあるランドマークのなかでもブームの牽引役は「渋谷パルコ」です。いまも昔も変わらず公園通り沿いに建物を構え、時代を彩るポップカルチャーを発信してきました。
そんな歴史あるファッションビルの一角に、今回出店したのが〈ジル サンダー(JIL SANDER)〉です。
改めて触れるとこのブランドは、つくりのいい服が市場にあふれるいま、ただのシンプルではない、ひとの感覚に訴えるようなデザインを武器に、都市生活者の憩いとなり得るファッションをクリエイトしています。
もしかするとこの場所を選んだところに多少の違和感を覚える方もいるかもしれませんが、ブランドを指揮するルーシー&ルーク・メイヤー夫妻はこのように説明します。
「現代文化の象徴のひとつであり、私たちにとっては常にインスピレーション源であり、楽しみをもたらしてくれる渋谷という街。活気に満ち、常に変化し続ける場所で、私たちが考える〈ジル サンダー〉の店舗を実現できることは、とてもエキサイティングです。このクリエイティブなコミュニティの一員になれることをとても楽しみにしています」
特にルークにとって渋谷は馴染み深い場所で、若かりし頃、日本に来たときはこの街で友人たちと遊んでいたといいます。
このストアがあるのは、公園通りの正面入口から入った一階の奥のスペースです。
外のウィンドウに面した大きな壁は一見プレーンですが、細かく波打つような、左官職人の櫛引きという技で仕上げられています。天然石を敷き詰めた店内は温かみのあるサンドカラーで彩られ、日本の木材を使ったディスプレーケースや棚が配されています。
服に通じるようなストア全体の柔らかな色使いは、メイヤー夫妻のビジョンを反映したもので、〈ジル サンダー〉の他の店舗とリンクするものになっています。
オープン当初ここに並ぶのは、〈ジル サンダー〉の靴やバッグ、革小物などに加えて、〈ジル サンダー+〉の服たち。渋谷の街に合わせたセレクトです。
そしてオープン記念に用意されたのが、持ち手にカーフレザーを使った定番のキャンバスバッグ。シーズナルカラーのカーキをボディに纏わせたリミテッドアイテムです。これはいま、ここでしか手に入りません。
ストアの誕生に合わせて、3月31日(金)まで「渋谷パルコ」周辺のビルボードを〈ジル サンダー〉のキャンペーンビジュアルがジャック。宇田川町や道玄坂の16箇所に4種類のポスターが掲出されています。
これらのビジュアルは、イギリス人写真家のクリス・ローズがアメリカ・ロサンゼルスで撮影したもの。西海岸の自由なムードを感じさせるランドスケープとポートレートは並べると非常にグラフィカルで、どのカットもシンプルな構図ながら目を引く強さがあります。
このストアで買い物をした方、先着100名にポスターをプレゼント。4種類のなかから好きなものを選べます。無くなり次第、配布終了なので、手に入れたい方はお早めに。
考えてみると、ファッションというのはブランド力に帰結するところがあります。そのなかで創立者であるジル・サンダー氏からバトンを受け取り、ブランドの歴史をいいかたちで発展させるメイヤー夫妻の手腕は非常に見事です。
新たな挑戦となる「渋谷パルコ」のストアを訪れれば、改めて〈ジル サンダー〉の素晴らしさが感じられると思います。
Photo_Kazuma Yamano
ジルサンダー 渋谷パルコ
オープン日:3月24日
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ 1F
営業:11:00~21:00
電話:03-6427-8808
ジルサンダージャパン
電話:0120-919-256
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