活動初期より継続するシリーズをアップデートさせて。cobirdがコラージュの可能性を広げます。

さまざまな写真や文字や絵などを切り抜き、それらを貼り付けるコラージュという手法。多くの人が1度は目にしたことがあるであろう、身近なアートのひとつです。

現代美術家として活躍するcobirdは、印刷した紙などを縦横の短冊状に切り刻み、手作業で織物の組織のように1本づつ交互に差込みながら形成されるコラージュ作品を主に発表を続けている作家です。

そんなcobirdが『マグショット』と題し「ギャラリー月極」で現在開催中の展示は、活動初期より制作し続けてきたマグショット（逮捕写真）シリーズを発展させた作品の発表と同時に、現存の人物の肖像写真を実際に撮影し、同様にコラージュする“マグショットプロジェクト”作品が並びます。

私は既存イメージを扱い、サンプリングをベースにしたコラージュ技法で作品を制作してきました。
それはストリートカルチャー、特にヒップホップ、ラップミュージックから影響を受けてきた私にとっては自然な選択だったのです。
しかし、この世界にのめり込む内に美術史や文脈にもフラットに関心をむけていると、
コラージュの祖とも言われるパピエ・コレ、さらにはキュビズムという存在に繋がりを感じ、救われた気持ちになりました。
本展示の主軸は、キュビズムやヒップホップへのオマージュというより、無慈悲なカット&ペースト法が生まれながらにして存在する、私なりの美の計算式で検算を繰り返すような行為です。
また同時にミックステープにしか収録できないビートジャックのように、無作法でも野性な個性を、自分に導き出そうとしているのです。
私にとって作品とは、布帛組織の様な小さな空間の集合体、幾何学に時間を纏う具象であり抽象、誰もが様々なエレメントを時空間を超えてごった煮に出来る、そんな現代の絵画でありたいと考えています。
cobird

こちらのステートメントにあるように、今回の展示はコラージュの可能性を広げた内容と言って過言ではありません。

Object_Leo（ALI / Musician） @guerrilla_works Photo_Takao OKB

Object_Motoko Marui（Graphic Artist / Art Director） @_motty_　Photo_Takao OKB

Object_Xiangyu（Musician） @xiangyu_day　Photo_Takao OKB

いまを表現する表現者たちを撮り下ろし、コラージュによってつくられた肖像画という新たな世界をぜひご覧ください。