何者でもないがゆえに、果敢で繊細。写真家 前田拓也の写真展がCUBE 1, 2, 3にて開催されます。

ボタンひと押しでだれでも写真が撮れて、加工技術でいくらでも色味や画角も操れる昨今。だからこそ写真家の存在意義をあらためて考えるわけですが、今回ご紹介するのはそれを真摯に考えながら、自身の世界観を構築している写真家です。

写真家の前田拓也さんは1996年生まれで、つい先日まで写真家の大辻隆広さんに師事していました。そんな彼の門出を飾る写真展が「渋谷ヒカリエ」の8F「CUBE 1, 2, 3」にて行われます。

写真を撮りはじめたという2019年の大学3年生の頃から現在に至るまで、5年間のあいだで撮りためた写真を展示します。ポートレートや海外のスナップ、抽象的な写真など、内容は意図的に統一しないことで、一覧したときに彼独自の眼差しをより強く感じることができるはず。

彩度が高く、コントラストを持った写真は鮮烈な印象を与えながらも、その一方で観る者をぐっと引き込みます。それはひとえに被写体が浮かべる、喜びとも悲しみともつかない表情の奥深さによります。

一言では語れない写真ゆえに、展示方法はフォーマットに当てはめるのではなく、写真に合わせてさまざまな形式をとっているのだとか。

展示空間に身を置くことで、彼の写真、ひいては前田さんのまなざしを感じることができます。写真展の期間は来週7月6日（木）から12日（水）の7日間、ぜひ会場に足をお運びください。