CLOSE
NEWS

トヨタとサマソニとストリートファイター6と。ハイエースを舞台に取り組む、Drive Your Teenage Dreams.という名の新しいチャレンジ。

若者のクルマ離れが叫ばれはじめて随分経つけれど、その間もバンライフやオーバーランドが注目を浴びたりと、クルマの楽しみ方は不滅どころかドンドン拡がる一方。そんななか、あの「トヨタ(TOYOTA)」は「Drive Your Teenage Dreams.」と銘打って、ユースカルチャーにフォーカスした取り組みをおこなっています。今回の舞台となったのは都市型フェスの代表、「SUMMER SONIC 2023」。一体どんな仕掛けが施されていたのか、早速チェックしてみましょう。


サマソニにDYTDのハイエースがやってきた。

クルマの新しい楽しみ方を生み出すべく、「トヨタ」が「スターベース」とタッグを組んで様々な展開を続けているプロジェクト「Drive Your Teenage Dreams.」(以下、DYTD)。

これまでもポップアップやアパレルのリリース、ファッションブランドとのコラボなど様々な企画をおこなってきましたが、スタート以来の蜜月関係を築いているのが「SUMMER SONIC」(以下、サマソニ)です。そもそもDYTDがお披露目になったのは2019年のサマソニでしたが、その後はコロナのパンデミックを受けて夏フェス業界は苦難の道を歩むことに。

そして今年、2023年に満を辞してサマソニが完全復活!! それに合わせてDYTDもポップアップを出展したのですが、その内容が「あの、お堅いイメージのトヨタが!?」と思わされるほど型破りだったのです。

3年間に渡って温め続けていた渾身のプロジェクトの中心となるのは、全体に渡ってカスタマイズが施された1台のハイエース。まずはそのカスタム内容からチェックしてみましょう。

200系ハイエースをベースに、ブースのイメージと同じく全体をマットブラックで統一。実はハイエースやプロボックスなど「トヨタ」の商用車をマット系のカラーでペイントし、インチアップしたりマッドタイヤを履かせてアウトドア/ストリートなテイストに仕上げるのは、ファッションもクルマも好きな人たちの間で根強く人気なスタイルなのです。

ワンボックスカスタムの定番〈GOODYEAR〉の「EAGLE #1 NASCAR」の足回りに、エクステリアはエアロパーツなどでドレスアップ。後部のウィンドウはラッピングでシャットアウトされていますが、実はこれが後々に効いてきます。

インテリアも見てみましょう。

フェス×カスタムカーのポップアップと言えばキャンピング仕様や車中泊仕様が定番ですが、DYTDのハイエースはさにあらず。LEDネオンに2トーンレザーファブリックのシート&デッドニングは、さながらクラブのVIPルームのようではありませんか。

リアウィンドウはパネルバンのように外光を遮る仕様にしたおかげで、ライトアップがうまく効いていますし、プライバシー確保もバッチリ。

ドライビングシート側に目をやれば大型モニターと、そこに映る『ストリートファイター6』の画面。そう、このハイエースは“TOYOTA GAMINGSPOT”と題して『ストリートファイター6』とコラボし、車内でゲームを楽しめるゲーミング仕様の一台なのです。

そう思って車内を見渡せば、さきほどのLEDもクラブの照明というよりゲーミングPCのネオンといった趣きに見えてくるではないですか。

これまでもクルマをアートや音楽、スケートやファッションなどのストリートカルチャーとクロスオーバーさせてきたDYTDですが、いま盛り上がっているeスポーツにフォーカスを当てたあたりもエッジが効いています。その根底には「クルマは遊び道具であり秘密基地であり、既成概念に囚われないチャレンジを続ける」という信念が込められているようです。

それにオンライン対戦が当たり前の今のゲームは、通話やチャットをしながらやるのがスタンダード。熱中しているうちについ声が大きくなって隣の部屋や家族から文句を言われたり……、なんて経験をした人も多いハズ。

クルマ、それもハイエースのように大空間のある車種をプライベートなゲーミングスペースとして使うのは、今まで無かったけれど合理的なアイデアかもしれません。

もちろん『ストリートファイター6』は対戦可能。お目当てのミュージシャンのライブを観るまでの合間の息抜きに楽しめるのはもちろん、クルマのなかでゲームする非日常感もあいまって当日は長蛇の列ができていました。

TOYOTA GAMINGSPOTを体験した人たちには「トヨタ」×『ストリートファイター6』のコラボTシャツ、巾着、ポンチョのいずれかをプレゼント。ヴィンテージ市場でもゲームTや企業Tはメチャクチャ注目されているだけあって、「トヨタ」と『ストリートファイター6』がコラボしたゲームTで、しかも黒ボディとなると今後プレミアム付きになるのは確実なハズ。

さらに注目したいのが、物販されているグッズ類の秀逸さ。

たとえばTOYOTAの文字のみでオーバルマークがプリントされていないTシャツの存在は、クルマ業界におけるロゴ使用ルールの厳しさを知っている人にとっては「ブートに違いない!」と勘違いしてしまうほどイレギュラーなデザイン。一見するとシンプルなロゴTですが、じつはその中にDYTDのこだわりやチャレンジ精神が潜んでいるのです。

ブースではBE@RBRICKや〈リー〉をはじめ、これまでにDYTDでコラボしてきたアイテムやオリジナルウエアを販売。アメリカのファクトリーワーカーがいかにも着ていそうな「トヨタ」のワッペン付きワークシャツなんてクルマを洗車する時なんかにも良さそうですし、古着で存在していたら思わず手にとってしまいそうなデザインです。

Tiktokのフォロワー150万人を超えるファッションインフルエンサーのKYANくんもブースに遊びに来ました。ハイエースの中では『ストリートファイター6』をたっぷり堪能。コラボTシャツの着こなしもさすがです。

ブースの壁には自由にメッセージを書けるボードが。KYANくんもメッセージを添えて、ブースを隅から隅まで楽しんでいました。

夏フェスやメッセージボードが良い例ですが、オンライン全盛なうえにコロナで自粛を余儀なくされたからこそ、現場に行く必要のあるコミュニケーションの大切さが身に沁みる昨今。

その時勢のなかで「トヨタ」と「スターベース」がタッグを組んで展開するDYTDプロジェクトは、リアルなシーンに足を運ぶためのトランスポーターとしてだけでなく、コミュニケーションのハブとしてクルマを捉え直しているように感じました。
なにより一緒にフェスに行ったり格ゲーをワイワイやったりするの、ずっとできなかったですもんね。そろそろみんなでクルマに乗って遊びたいな。DYTDのハイエースを眺めていると、そんな気持ちになったのでした。

Photo_Fumihiko Ikemoto
Text_Shunsuke Hirota

INFORMATION

Drive Your Teenage Dreams.

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP > NEWS