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暮らしに新しい視点を。写真家・竹之内祐幸の展示「Warp and Woof」がPGIで始まります。

中国語の“真を写したもの”という意味からそう呼ばれるようになった写真ですが、真実を残す写実性だけでなく、いまでは個人が表現するためのツールとしての役割も持っています。それは、被写体だったり、撮影方法だったり、作品の組み合わせだったりとさまざま。

フイナムでもお世話になっている写真家の竹之内祐幸さんは、自身の生活や習慣とは離れた場所で暮らす人々と出会い、その世界観にカルチャーショックを受けたことをきっかけに、作品において普段の自分の視点を広げる試みを始めました。

そうして生まれた作品を、縦糸と横糸や、物事の基礎(的な要素)などの意味を持つ「Warp and Woof」というタイトルをつけ、東麻布のギャラリー「PGI」で発表します。

いままでは、生き物や人工、自然などのモチーフをひとつの作品として発表されてきましたが、今回挑戦したのは作品を横に展開させること。それにより、「視点の広がりと、見落としていたかもしれない周辺の出来事、時間の流れ」を表現しています。

一見すると地続きに広がる風景に見えますが、それはいくつかのシーンが組み合わされたまた別の世界なのです。竹之内さんからのステートメントは以下です。

撮影でヒッピーの集落を訪れた際、自分が生きている場所での習慣やふるまい、生き方とは大きく異なる世界に、カルチャーショックを受けた。
深夜の山中で呆然としていた時、一緒にいた編集者が、「普段の自分とかけ離れた”際”の世界を知ると、自分自身の心の地図が広がったような気がしませんか」と話してくれ、その言葉を聞いて急に自分の視界がクリアになった気がした。
それから、いつも向けている自分の身の回りの景色だけでなく、それを構成しているもっと大きな世界にも目を向けようと、普段使っている望遠レンズでランドスケープを撮影してみた。
同じ場所から見た別の風景、違う場所にあるけど似ている風景を並べて、自分なりの心の地図を構成した。

会場ではアーカイバルピグメントプリント約24点が展示される他、初の映像作品、Fumitake Tamuraさんによる偶然性を感じさせる音楽が会場を彩ります。この音楽はカセットテープとして会場で発売し、完売している前作『距離と深さ』の第二版も出るとのこと。10月中旬には今回の作品集も登場するようなので、タイミングで覗いてみてください。

INFORMATION

竹之内祐幸 「Warp and Woof」

会期:10月6日(金)〜11月18日(土)
場所:PGI
住所:東京都港区東麻布2-3-4 TKBビル3F
時間:11:00〜18:00
休館:日曜・祝日
作家ホームページ
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