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形あるものも形ないものも変化していく、その儚さ。フォトグラファー成田英敏の初めての写真展「壊れめの白さ」が、stacks bookstoreにて開催です。

フォトグラファーが自身の内から湧き上がったものを込めた写真は、広告写真に宿るその強さとはまた異なる。

来週10月14日(土)から、成田英敏さんの初めてとなる展示が「stacks bookstore」で行われます。成田さんが書いたステートメントを読んで、改めてそんなことを考えてしまいました。

成田さんが作品制作をするうえで大きなテーマに掲げているのが、ひとの感情がダイナミックに動く境目と、そこに至るまでの微妙な遷移。

ファッション誌やカルチャー誌、さまざまな広告で活躍している成田さんの写真を見返すと、馴染みの俳優やモデルが見たことのない表情をしていたり、見落としてしまいそうなニュアンスがあるような気がします。

また、成田さんにとって写真は “ゲット” する感覚が重要で、モチベーションのひとつにもなっているそう。

今回の制作の過程では、フィルムのように写真を透かしてみたり、日本画の手法でパネルに貼りつけるという作業を試みました。それにより、写真が変容し、それぞれの最適な形となっていく様子に新たな感慨が湧いてきたという。

そこには、写真がデータとして世に出ていく喜びとはまた違った、本当の意味で写真を “ゲット” できたような感覚があり、初めて展示することにしたのだそうです。

今回の展示が成田さんにとって初めての展示。シングルカットされた写真集も同時に販売するそうなので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。

ちなみに、今回の写真展のタイトル「壊れめの白さ」は、成田さんが「壊」という文字の起源に惹かれて付けたタイトルだそう。聞けば「壊」はへんの土が神社、つくりが涙が流れて衣服が濡れている様子から作られた漢字で、一説では、何らかの理由でその土地を離れないといけない時に、地元の神社を泣きながら壊してる様子を表しているのではと。

目に見えない情報が錯綜する時代のなかで、形があるものの形はなくなり、形がないものの形ができていく。そのアナログな変化を追った本展は、鑑賞者の琴線にきっと振れるはず。会場でぜひご覧ください。

INFORMATION

成田英敏 写真展「壊れめの白さ」

期間:2023年10月14日(土)〜10月22日(日)
場所:stacks bookstore
住所:渋谷区神山町42-2 神山Mビル2F
営業時間:15:00〜20:00(月曜〜金)、13:00〜19:00(土曜、日曜、祝日)

成田英敏インスタグラム

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