スタイリストとしてのみならず、写真に映像制作、はたまたブランドディレクションまで、肩書きにとらわれることなく自由に表現活動を繰り広げる梶雄太。そんな彼が自ら綴った〈サンセ サンセ〉の商品説明を、ランダムに紹介していく連載企画。今回は、重ねていいものと、駄目なことのおはなし。
フリーランスで仕事をしている彼は、日頃の怠惰な性格のせいもあり、毎日が休日である。
家にいても仕方がないので、1日に2回は明治通りを車でながす。
そこで知り合いにあうと「次の打ち合わせが」と車を慌ただしく動かしながらさも忙しいかのようなウソをつく。
そこまでなら許せたのだが、ここから先が問題だった。
とある大きな仕事の案件で「作品が見たい」と連絡があった時のことだ。
ここがチャンスと思ったばかりに、張り切った彼は他人の作品を、まるで自分の作品かのように提出したのだった。
もちろんその後一切の連絡は来なかった。
ウソにウソを重ねるのは良くない。
スウェットパーカーにニットを重ねるのは良い。