KAMIの名前を知らなくても、その作品をどこかで目にしたことがあるという人は多いはず。SASUとのユニットであるHITOTZUKIとしても知られるKAMIは、2人での制作活動をスタートする1999年以前より、ソロアーティストとして活動を行なっていました。
日本の古きよき伝統文化が色濃く残る京都で育ち、スケートボーカルチャーからの影響も受けたことによって生まれたKAMIの描く力強いライン。そこには“余白”や“間”といった日本的な侘び寂びを感じさせる要素とともに、当時具象が主流だったグラフィティシーンに独特な抽象を取り入れ、大きな影響を与えました。
ペンキやマーカーで日本的な要素と西洋のストリートカルチャーを融合させたKAMIは、まさに“ゲームチェンジャー”と呼ぶに相応しい、新たな価値観を生み出したリビング・レジェンドです。
そんなKAMIが現在「スノーコンテンポラリー(SNOW Contemporary)」にて『1999』と題した個展を開催中。KAMI自身が2000年代に向けた希望で満ち溢れていた時期、多くの出会いから現在の曲線を活かした作風が確立されたという印象的な1999年を回顧する思いを込めた展示は、新作キャンバス作品がおよそ10点並びます。
見る人に和みを与え、多くのアーティストからもリスペクトされ続けるKAMI。6年ぶりの個展で、その魅力に触れてみてください。