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ユーモラスに、シンプルに。中目黒VOILLDにて、西雄大の個展「物心」開催。

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中目黒の「VOILLD」にて、ペインター・西雄大による新作個展「物心(ものごころ)」が7月7日(金)〜7月28日(金)の期間に開催されます。

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以下は、「VOILLD」主宰の伊勢春日による、作家紹介のテキストです。少し長いですが、ぜひ読んでみてください。

西雄大は京都出身、現在東京を拠点に活動しているペインターです。

シンプルに削ぎ落とされた力強い線、選び抜かれた色、既視感のあるモチーフや、あるいはそれが変容し独自の形態になったモチーフ。それらは彼のルーツともなる80年代のアメリカンコミックやヒーロー、ストリートアートなどの影響を受けながら、自身の思考を通して構成されています。

一見、馴染みやすくシンプルに見える西の作品の背後には、現代においての物質に対する様々な価値観や、複雑に入り組んだコミュニケーションの形、多様化する個性のあり方への皮肉などが見え隠れしています。様々な問題をユニークに単純化し、見る者が直感的にその訴えや本質を感じ取ることが出来るほど、簡潔にデザインされているのです。

「物心」と題された今回の個展では、自身の原点回帰を題材とした20点に及ぶモノクロのペインティングシリーズが中心となって展開されます。ユーモアを持って生き生きとした線で描かれた、動物や身体の一部、日常で目にする物や空想の生き物たち。

常に作品に求められてきた問いかけや、理不尽な意味付けをする行為への疑問に対しての答えのように、固定概念や一般的なルールをはぎ取った、西が感じた純粋な「イメージ」として再現されています。西の鋭い洞察力や思索が浮かび上がったようなイメージは、私たちへ「本質とは何か?」という問いかけを投げかけているようにもみえるのです。

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「VOILLD」の展示の魅力は、アートを歴史や教養の文脈からではなく、フラットな目線で解釈し、それを現代的に提示してくれるところだと思います。伊勢さんのテキストを読めば、アートという非言語的なアプローチを丁寧に正確に伝えようとする真摯な姿勢が伝わるでしょう。

商業の連鎖の中で消費されるアートが存在する一方で、このようにいきいきと伝わる価値もあり。ぜひ実際に足を運んで、生身で体感してみてください。

Text_Taiyo Nagashima


西雄大「物心」
会期:7月7日(金)~7月28日(金)
時間:水木金 14:00〜20:00、土日 12:00〜18:00 ※月・火・祝休廊
入場:無料
会場:VOILLD
住所:東京都目黒区青葉台3-18-10 カーサ青葉台B1F
オープニングレセプション:7月7日(金) 18:00〜21:00

西雄大|YUDAI NISHI
1991年愛知県生まれ。京都精華大学デザイン学部ビジュアルデザイン学科イラストコースを2015年に卒業。
在学中からアーティストとしての活動をスタートし、現在は東京を拠点に活動をおこなう。
作品制作を中心に、精力的に個展の開催やグループ展への参加をする傍、イラストレーションや自身のアートワークを使用した商品制作をおこなうなど、活躍の場は多岐にわたる。
nishiyudai.tumblr.com

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