ボタンダウン、カラー、フィット、レングス、そしてオックスフォードコットン…そのすべてがザ・アメリカンなスペックながら、手に取ればとろけるようにしなやかだった。
そのギャップは今季の〈ロエベ(LOEWE)〉をものの見事にかたちにしている。
クリエイティブ ディレクターのジョナサン・アンダーソンはコラボレーションの相手にリチャード・ホーキンスを指名した。リチャードはSNSやタブロイド誌、ゴシップサイトを横断したコラージュの手法で名をあげたアーティストだ。その作風に刺激されたジョナサンはそれをそのまま、デザインに昇華した。
これをもっともアグレッシブに表現したのがシューズ、ソックス、パンツを一体化させた(!)ユニーク極まりないオールインワンだった。
ジョナサンがやりたかったのは、陳腐化した男らしさからの脱却だ。あらゆる男性像を融合(=コラージュ)し、新たな男性像を探求することで、男性像の更新を目論んだ。
話を戻せば、そのシャツはタックインもタックアウトも唸りたくなるほどさまになった。
ボタンダウンシャツ 各¥106,700
前身頃には小さくアナグラムが刺繍されている。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa