安心で、安全で、おいしい、食事、食卓、食文化。誰しもがそれを求めているはずなのに、その実現には途方もない労力と情熱が必要不可欠なのです。
この度、その大きな目的に向かってまっすぐ歩みをスタートさせた、なんとも壮大なプロジェクトをご紹介いたします。
自然と人が豊かに循環する食文化を、未来に続けるための新たなフードシステムの構築を目指す「Table to Farm」。2030年の実店舗での完成を目指し、まずは第1フェーズとして、オンラインでの会員制スーパーマーケットが開設されました。
「Table to Farm」では、すべての作り手と会う・すべての作り場に足を運ぶ・すべてを食する。この三つを指針としています。
自然栽培で育つ在来種のお米「亀の尾・旭」や伝統的な木桶仕込みの醤油、わずか28頭まで減少した日本最古の和牛「竹の谷蔓牛」など、およそ11ヶ月をかけてラインナップを検討し、各カテゴリー最大3つまでにセレクトした、“とびっきりのおいしさ”が揃います。
「Table to Farm」ではこれらを「素(もと)の味」と呼んでいます。取り扱い商品一覧はこちらから。
私たちが日常の中で忘れかけていた感覚を呼び覚ましてくれるような、自然と人が織りなし生まれる、かけがえのない味わい。これら「素の味」は経済合理化の波にのまれ、現在わずか0.1%しか流通していません。
どの家庭にもふつうに溢れていた「素の味」をこれからの食卓の風景の中に残していくためには、一人一人があと半歩だけ何を選ぶかに意識を持ち、ともに作る現場に携わることが大切だと考えます。
食卓の選択によって、つくることに関わっていく。そういった意味を込めて「Table to Farm」という名前は決まりました。
そして、このプロジェクトを継続的に持続させていただくために、新しい食のコミュニティが構築されました。
作り手と食べ手が共に食文化を育み、0.1%の「素の味」の生産者と生活者が手を取り合うフードシステム=Community Supported Foodculture(CSF)です。
買う。対話する。協働する。つくる人、つかう人、間に立ってつなぐ人。それぞれの課題を、それぞれの責任にせず、一緒に考える課題としていくことから始めていきます。
※追記
CSFの活動として、毎年2月末から3月中旬の最適な時期に、「小笠原味淋」のみりんの「春仕込み」を一緒に行う方を募集しています。詳しくはこちらのリンクをご覧ください。
「Table to Farm」で取り扱う食材や日用品は、生産量が限られているものが多く、ゆるやかに供給とのバランスを取るために参加枠に限りを設け、紹介またはウェイティングリストを通して参加いただく会員制となっています。
入会方法はこちらをご覧ください。
本プロジェクトのディレクターには、「D&DEPARTMENT PROJECT」の飲食部門「つづくをたべる部」のディレクターである相馬夕輝氏が就任いたしました。
中長期的な視座から、よりよい食文化の発展に向けて今まさに動き出したばかり。本稿を経て、少しでも賛同の気持ちが芽生えた方は、ぜひ下記のホームページを訪れてみてください。
Table to Farm
入会金:¥5,500~(税込)
CSF協力金:¥220 / 2週間(税込)
公式サイト
公式インスタグラム
※入会金とCSF協力金は「素の味」とその食文化を広げるために、生産者との共同プロジェクト、支援活動や災害発生時の補填などに充てさせていただきます。
相馬夕輝
滋賀県出身。「D&DEPARTMENT PROJECT」飲食部門「つづくをたべる部」ディレクターとして 、日本各地を取材し、その土地の食材や食文化を活かしたメニュー開発や、イベント企画なども手がける。2024年、初の著書となる食分野での活動をまとめた『つづくをたべる食堂』出 版 。