鑑賞にとどまらない体験を。渡邉太地がつくり出す特別な絵画空間に足を踏み入れてみませんか？

いま一番ホットな話題といえば、大阪・関西万博。この機会に大阪へ行かれる方も多いのはないでしょうか。その際にはぜひ立ち寄ってほしいのがこちらの展示。

油画アーティスト・渡邉太地さんによる個展「Field」が、「i GALLERY OSAKA」にて開催中です。

“どこでも窓”という独自の視点から、絵画を通じて現実と想像の境界、内と外、自己と他者の間にある曖昧さを追い続けてきた渡邉。その探求をさらに推し進め、本展では「特別な領域＝フィールド」としての絵画空間が提示されています。

特別な領域について、渡邉さんは次のようにコメント。

10代の私には特別な領域と呼びたい空間があった。それはサッカーフィールドだった。白い線で囲われた約100メートル × 70メートルの空間に踏み込むことは、とても特別なことであった。そこには神様がいると言われ、多くの人々を楽しませることや、悲しませたりするなど数多くの物語が生み出されてきた。
またフィールドに描かれた白線は現実世界との境界線のようでもあり、私にとっての特別な領域をつくり出していた。
現在の私にとって、その特別な領域は絵がある空間だ。フィールドの白線が持つ目的以上の存在のように、Space(絵の世界）をつくり出すという可能性を持った絵の在り方は類似していると感じる。
このギャラリーに足を踏み入れることは私がつくり出すFieldへ入ることであり、ギャラリーに飾られた絵を鑑賞するにとどまらない体験を感じて頂ければ幸いです。　渡邉太地

作品はあえて地面に置かれ、ギャラリーの入り口から奥の空間まで途切れることなく続きます。その構成が生み出す静かな緊張感は、鑑賞者の身体そのものを作品の一部として取り込むんだとか。

渡邉さんが生み出す“Field”を、ぜひ会場でご体験ください。