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川田十夢公私ともに長男。「AR三兄弟の企画書(日経BP社)」、「ARで何が変わるか?(技術評論社)」、TVBros.連載「魚にチクビはあるのだろうか?」、WIRED連載「未来から来た男」、ワラパッパ連載「シンガーソング・タグクラウド」、エンジニアtype連載「微分積分、いい気分。」など。発明と執筆で、やまだかつてない世界を設計している。https://twitter.com/cmrr_xxxhttp://alternativedesign.jp/

青雲、それは君が見た光。

川田十夢
公私ともに長男。「AR三兄弟の企画書(日経BP社)」、「ARで何が変わるか?(技術評論社)」、TVBros.連載「魚にチクビはあるのだろうか?」、WIRED連載「未来から来た男」、ワラパッパ連載「シンガーソング・タグクラウド」、エンジニアtype連載「微分積分、いい気分。」など。発明と執筆で、やまだかつてない世界を設計している。
https://twitter.com/cmrr_xxx
http://alternativedesign.jp/

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サマーウォーズを軸にして考える、JoinTVについて。

2012.07.21

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不意に更新するフイナムブログ。今回はテレビと物語とインターネットのギャップについて書いておこうとおもいます。
昨晩、サマーウォーズというアニメーション作品が日本テレビで放送されていました。それと連動して、JoinTVという施策が打ち出されていたのですが、これがほんと酷かった。。テレビの都合とインターネットの都合、それぞれが物語に悪く作用する典型のような施策でした。サマーウォーズには、仮想世界OZという全世界で10億人のユーザ数を誇るシステムが登場します。だから、このJoinTVをOZと見立てて視聴者参加を煽るまでは自然な流れなのだと思います。けど、そのあとがマズい。まず、JoinTVなのに、なかなかジョインできない。一応、公式サイトにもそのやり方が細かく書いてあるのですが、これがとても分かり難い。まず、デジタルテレビの「d」ボタンを押します。そして、「JoinTV」を押します。と、この時点で、テレビにLANケーブルがささっていない場合はゲームオーバー。先に進めません。テレビにLANケーブルをさしてある家庭って、そんなに多いのでしょうか。僕は普段テレビをテレビで観ないので分かりませんが、まずここで躓きかけました。ここを何とかクリアすると、次にパスワードが表示されます。それを、メモって次はパソコン(スマホ)でJoinTVのURLを開きます。そこでさっきメモったパスワードを入力するのですが、このパスワードの有効期限は5分なので、まごまごしているとすぐに失効となります。何とか突破して次に進むと、facebookの認証ページに飛びます。ここで、facebookをやってない人はゲームオーバー。やっている人は、認証を押して次に進みます。認証が終わると、facebookで登録したアイコンが表示され、晴れてJoinTVにジョインすることができます。要するに、ここではじめてスタート地点に立てた訳です。普段、パソコンで仕事をしている僕でさえ煩雑な手順だったので、一般家庭のお父さんお母さんは、まずお手上げでしょう。それが数字にもあらわれていました。サマーウォーズに登場する仮想空間OZのユーザ数は10億人、facebookの月間ユーザ数は9億人、JoinTVのユーザ数は1480人でした。
で、僕がいいたいのは、JoinTVのジョインの煩雑さや獲得人数の少なさではありません。サマーウォーズという作品とシステムが、しっかり必然を以て結びついていたかどうか、です。僕はJoinTVに参加しながら、小さい画面でしばらくそれが出すクイズに付き合ってきました。が、物語の進行とはあまり関係のないクイズが、無感情に出されるばかりなので、次第に厭になってきました。要するに、クイズが作品への没入の邪魔をしているのです。特にサマーウォーズは、展開の早さと加速と集約の物語です。小さな画面でちまちま楽しむコンテンツではありません。中盤以降、JoinTVからログアウトして、通常の画面で作品に集中することにしました。そして場面はいよいよ夏希のおばあちゃんの栄が亡くなって家族が悲しみに打ちひしがれているシーンへ。事もあろうか、このとても大切なシーンで、ずけずけとクイズへの誘導のテロップが表示されたのです。これは最もやってはいけないことだと、心から思いました。
僕ら(AR三兄弟)は以前、東のエデンという物語の中にしかないシステムを、現実へ移植したことがあります。これは、システムが最初にあった訳ではなくて、物語と向き合っているうちにシステムの設計が浮かんだから作ったものです。この施策は、神山監督からも、アニメファンからも、業界からも、賛辞をいただきました。すでに実動状態にある既存のシステムに、物語の中にある名前をただ拝借したのではない、強度と必然がそこにあったからです。
あと、テレビを観ながら、普通にスマホでtwitterやfacebookをセカンドスクリーン的に楽しんでいる方が、はるかに楽しめるということ。そろそろテレビの人、分かって下さい。そのうえで、番組と現実をどうハイパーリンクさせるかを考えてください。けして、他局への牽制球レベルの施策は、打ち出さないでください。作品への冒涜だし、テレビがますますつまらなく見えてしまいます。テレビはもう、テレビの中で完結しなくていいのです。その辺りは、7/18(水)発売のTVBros.の中で詳しく指摘しているので、それをご参照ください。若しくは、僕に相談してください。以上。

Comment: 1

TV Bros.読みました!
ハイパーリンクの考え方が面白くおもっていたら、このブログにも当たって更になっとくです。
しかも東のエデンも大好きだったので驚きました。
今回のサマーウォーズで言えば、単純に「もったいない」という感じがします。
きっとおもしろい案はたくさんあっただろうに、各所の調整の末
今回の内容になってしまったのでしょうね。
視聴者にとっては関係ない事ですが。
最低でも作品の邪魔をしない、できれば作品を更に楽しめる
補助的な役割があるものであって欲しかったです。
ユーザビリティ的にも処理速度としてもテレビ画面上でやる必要はなかったのかなと思います。

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