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栗原道彦フリーバイヤー(?)1977年生まれ2010年に有限会社ロストヒルズを退社。2011年よりフリーでの活動を開始(?)。

クリちゃんがイクッ。

栗原道彦
フリーバイヤー(?)

1977年生まれ
2010年に有限会社ロストヒルズを退社。
2011年よりフリーでの活動を開始(?)。

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BとF。

2010.11.03

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本日は久々に、古着豆知識的なネタを絡めた商品のご紹介を。

CIMG7617.JPG
<L) Levi's "800B (?)" DEAD STOCK, SIZE: W32 X L30, ¥15,540 SOLD
R) Levi's "518 (?)" DEAD STOCK, SIZE: W29 X L31, ¥11,340 SOLD

この子たちは60年代初頭にデビューした「WHITE LEVI'S」シリーズの代表的なモデルで、素材にコットンツイルを使用。古着好きに通称「カツラギ・パンツ」と呼ばれるモデルのデッドストック。
このモデルにはデビュー当初「800」という品番が与えられ、数字の後に続くアルファベット(B、K、Gなど。)がボディーの色を表していましたが、「501XX→501」、「551ZXX→505」などと同じく、60年代後半の品番改正によって品番が「518」に変更。
また「800」に付いていたアルファベットによる色番も廃止され、他のアイテムと同様、色は7桁の品番の下2桁の数字によって表記されるようになりました。
ちなみにこの「WHITE LEVI'S」というシリーズは、素材にピケ、サテンを使った「CALIFORNIAN」というシリーズと合わせて、ジーンズを従来の作業服というイメージではなく、色々な素材、カラーを展開するファッションアイテムとして東部の若者に向けて発売されていたモノ。
ただし「CALIFORNIAN」からリリースされていたピケ、サテン等のモデルが「501」等のデニムアイテムと同様にリベット&赤タブを装備していたのに対し、コチラのモデルは当初、それらの廉価版として開発、販売されていたのか、リベットを一切使用しない簡素な作りが特徴で、またそれに伴ってか赤タブではなく白いタブが装備されています。

CIMG7613.JPG CIMG7620.JPG
これらが上述の白タブですが、「白X黒」という同配色でも年代、もしくは生産工場による違いなのか、左のプリントネームと右の織りネームの2種が存在します。
個人的には過去の経験から、古いモノにはプリントネームが付いている割合いが多いような気がします。

CIMG7626.JPG CIMG7638.JPG
フロント・ジッパーも新旧によって異なり、初期のモノには左画像のグリッパー、後期のモノには右画像の42タロンが付いています。

CIMG7631.JPG CIMG7641.JPG
このディテールも新旧によって差異がある重要なポイントなんですが、左画像のモノはインシーム、アウトシーム共にダブルステッチなのに対し、右画像のほうはインシームのみダブルステッチでアウトシームは内縫いになっています(画像の通り若干の畳み焼けがありますが、洗濯でほとんど落ちる程度だと思います。)。
この他にアウトシームのみダブルステッチでインシームが内縫いになっているモノも存在しますが、コチラも僕の経験上、両サイド共にダブルステッチのほうが古いのは間違いないと思います。
ただその他にもスペイン語のフラッシャーが付くメキシコ製のモノや、アジア向けに香港で生産されたモノなど、同じカツラギの「518」でも様々な生産国、仕様のモノが存在するのでご注意を。

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ボタン裏の刻印は左が「18」、右が「69」となっています。
このディテールも初期のモノには「501XX」等と同様、アルファベットが刻印されていましたが、ソレ以降の数字にモノに関してはデニム以上に多くのバリエーションがあったようです。

CIMG7634.JPG CIMG7640.JPG
裾のステッチもデニムパンツ等と同様、左画像のようにオリジナルはチェーンステッチが施されていますが、右のモノはデッドにも関わらず、残念ながらすでに裾上げされてしまっています。

ということでコチラの2本ですが、共に品番が刻印されるウエストバンドのフラッシャーが欠損してしまっているので断定は出来ませんが、上述のディテールから恐らく左が「800B」、右は「518」でほぼ間違いないと思います。

ちなみに品番改正前のアルファベットによる色番ですが、僕が今までに存在を確認しているのは。。。

ナチュラル:B
チャコールグレー:D
ブラック:G
モスグリーン:K
ダークグリーン:F
(今回の518のカラー。)
ライトブルー:L
バーガンディー:H
ストレッチデニム:N

中でも最後の2つはあまり知られていない色番だと思いますが、「H」のほうは「551ZXX」のブルーフェードデニム・バージョンで有名な「500L」の色違い「500H」と、その移行期モデル「500H505」で数本。
「N」のほうは、その後「612」という品番で展開されるストレッチ・パンツの初期モデルである「451N」で一度だけ見たことがありますが、共に非常に珍しいモデルだと思います。

話が若干逸れてしまいましたが、この辺りのカラーパンツも90年代後半のブーム時に根こそぎ掘り起こされてしまったのか、デッドはここ数年ホントに出なくなってしまいました。
というか、最近はユーズドですら程度の良いモノをあまり見なくなってきていますので、サイズの合う方はこの機会に是非どうぞ。

Comments: 3

またこの辺のパンツが穿きたい気分です…大変勉強になりました!

jnkさん、コメントありがとうございます。
この辺りのパンツを90年代後半に履いていた方は皆、鬼ジャストが鉄則(?)だったので、新たに買い直さないと履けない方がほとんどだと思います。
僕も当時はW28インチをピチピチで履いていましたが、今履くとしたら間違いなくW31アップですね。。。

ええ足元はトップサイダーでTがユニクロなスタイリングあとはストームライダーをなんとかコラボでマイナス4歳くらいでぜひ

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