HOME  >  BLOG

Creator Blog

武田篤典ライター67年大阪生まれ・京都育ち・藤沢住まい。『R25』インタビューとか『スマートモテリーマン講座』とかを書いています。このブログは、かつて『ポパイ』『ハナコウエスト』誌に連載していたコラムのリメイク。街で見かけた赤の他人から勝手にいろいろ学んでいきます。

見知らぬあなた

武田篤典
ライター
67年大阪生まれ・京都育ち・藤沢住まい。『R25』インタビューとか『スマートモテリーマン講座』とかを書いています。このブログは、かつて『ポパイ』『ハナコウエスト』誌に連載していたコラムのリメイク。街で見かけた赤の他人から勝手にいろいろ学んでいきます。

Blog Menu

あ、やっぱりそれでいいのか。(前編)

2011.11.09

このエントリーをはてなブックマークに追加


こんにちは、武田篤典です。

前回は、「ここでこれからどういうことを書いていくのか」を説明しよう

と思ったのに、「モテるとはどういうことか」について力説しすぎ、

焦点がボケボケになってしまいました。

一応、プロフィールのところにも書いてあるのですが、

改めてマニフェストしておくと......。



「街角で赤の他人の会話や言動から

勝手に人生を学ぶ」       






と。それをこれから書いていこうと考えています。
              


今回はその第1回。

教えてくれた相手は、70代ぐらいのおじいちゃん4人。

学んだのは、「やっぱりそれでいいんだ」。


4人のじいちゃんと出会ったのは、地元のカフェでした。


1階のカウンターでオーダーして2階で飲み食いする仕組み。


2階はこぢんまりとした空間で、お店の人も、料理を運んだり


食器を片づけるとき以外あんまり上がってこないので、


考えごとをしに行くには最適なわけです。


おれも仕事で「モテる」ということについて全力で考えたりするので、


時折変わった案件が舞い込みます。


たとえば有名女性誌さまから


「男女の恋愛関係について話せ」と言われます。




「モテ男を落とすためのマル秘テク」とか


「男のこの仕草はアナタに脈アリの証拠!」的な。

  




正直、



そんなん、



知らんがな!




なのであります。


だっておれはフツーの44歳の中年男だもの。


「モテる」件についてはイチから脳内で妄想してるだけで。


今でこそ、美しく貞淑な妻と、愛らしく素直な二人の子がいるけれど、
 





恋愛的に活発な時期においては、
  




それはそれ





はもう、手





がつけられ

  


  
ないほどの

  
  


草食男子でした。

当時はそんな呼び名もなかったし「おれは草食だ」と自覚していたわけ
  

ではありません。でも、
  

  

コロンブスが発見するまでもなくアメリカ大陸はずーっとそこにあった
  

のと同じように、おれも思春期以降ずーっと草食だったわけです。


てゆうか、いまだに草食。

  


こと恋愛に関してのみならず、成熟した気がしない。


もっと簡単に言うと、オトナになった気がしない。


現代の男子諸君の多くはそうだと思いますが、ゲームもおもちゃも買う


し『川越高校ウォーターボーイズのひと夏を追う』みたいな青春ドキュ
  

メンタリーにドキドキするわけで......するでしょ?
  


"いまだに草食"というよりは"いまだに思春期"かもしれない。




......で、そのカフェですよ。


カップ片手に2階に上がると、おじいちゃんが4人カウンターに陣取っ
  

ていた。70代ぐらいと思ったのは、皮膚感とか頭髪の残量から。
  

でもそれ以上に違和感があった。
  

なんというか、ファッションが若干チンピラっぽかったわけで。
  

4人中2人がハワインアンシャツ、
  

1人がニューエラっぽいキャップにTシャツ。
  

のこりの1人だけがなんの変哲もない茶色のポロ。
  

辛うじてじいちゃん性を保っていた。
  

それで、全員テンションが軽いというか高いというか。
  

放課後、マックにたまる男子高生みたいなあんばい。
  

キャッキャキャッキャ言って、クスクス笑ってる。
  


そのキャッキャクスクスが、
  


やけに気になったわけです。
  


じいちゃんたち一体何をしゃべってるのだろうと。
  

それで、アリバイ用に文庫本を開き、
  

ページを見ながらも全聴覚をじいちゃんたちに集中。
  

そうすると不思議なもので、チューニングが合うみたいに会話の内容が
  

聞こえるのですね。
  

  

  

  

「まーきぃっとぅまで
  

どぅわぁいぶしたんじゃ

  

けんど、その日はたまさ

  

かほうりでいでの」

  

  


......んーと、なんて?

  

  

  

  

  

  

まーきぃっとぅま?

  

  

  

  

  

  

  

  

どぅわぁいぶ?


  

  

  

  

  

  

  


......隠語?
  

  

  

  

  


ひょっとしたら、じじい同士盛り上がっているところに
  

見知らぬヤング(おれのことです)が入ってきたので、
  

内容を知られぬよう隠語に切り替えた?
  

あるいは、内容が知られたくないのはつまり、何らかの
  

  

  

  

  

......闇取引? 


ならばそのチンピライズムあふれる着こなしにも納得がいく。
  

でも、藤沢の(あ、わが地元です)
  

  

  

自然光たっぷりの小じゃれたカフェの2階で?
  

  

  


考えました。
  

  

もう恋愛のどうのこうのそっちのけ。

アリバイ替わりに開いた文庫本の文字をにらみつけて考えた。



......と。

  

  

  

「せいんとぅ・へーうぇんず」
  

  

  

そんな単語が、ポーンと耳に入った。
  

で、なぜかわかった。
  

「セント・ヘレンズ」だ!
  

たしかアメリカのどこかにある火山の名前。
  

恋愛経験の引き出しはないけれど、こういうしょうもない雑学の引き出
  

しはあるのです。
  

こう見えて
  

『クイズミリオネア』の予選まで行った
  
(制作スタッフとの面接にスタジオに出向き『賞金1000万円の使い途は?』という問いかけに、『クイズミリオネア出場記念タオル』100本分まで想定した、1円単位の見積もりと企画書まで準備して臨んだにもかかわらず、そこで落ちた)
  

おれなのです。


  

そう、じいちゃんたっちの話題の舞台はアメリカでした。
  

ニューエラじいちゃん曰く
  

「セント・ヘレンズまで"どぅわぁいぶ"した」と。
  

なるほど「どぅわぁいぶ」は、つまり「ドライブ」だ!
  

会話を聞くうちだんだんと判明していきました。
  

「まーきぃっとぅ」は「マーケット」="market"、
  

「ほうりでい」は「ホリデー」="horiday"だと。
  

  

  

どうやらじいちゃんたち、ずっとずっと昔にアメリカのホテルだか
  

レストランだかで働いていた仲間たちだった模様。
  

  

  


が、しかし!
  

  

調子に乗っていろいろ盛り込んで書いていたら、
  

  

なんかえらく長くなってしまいました。
  

  

この長さが許されのかどうか不安なので、考えました。
  

  

  

  

以下次回。


  

  

もし、べつに長くなければ、そういう感じでコメントください。
  

  

次回以降気にせず、ガンガンに書いていきますので。

  

  

  


......さてさて、そのアメリカ帰りのじいちゃんたちが、
  

何を持っておれに「やっぱりそれでいいんだ」
  

と思わせてくれたのか。

  


  

以下次回。

※コメントは承認されるまで公開されません。