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ドラマのものさし・特別編 Special Interview 川のほとりに、転がる人生。 ドラマ24『リバースエッジ 大川端探偵社』 脚本・演出 大根仁 

2014.04.18

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「基本的には、ぼくは今でもテレビの人間だと思っています」

-大根さんの仕事は、『モテキ』以降、ドラマと映画を行き来しつつ、その間に演劇などもあるというスタンスですが、それは今後も変わらずに?

大根: 基本的にぼくは今でもテレビの人間だと思っているんですけど、もちろん映画も好きだし、幸いにもいろんなお話しをいただけたりもするので、どっちもやっていきたいなとは思っています。

-2013年は映画『恋の渦』も評判になりましたよね。ヨーロッパや台湾でも上映されたりして。糸井重里さんやジブリの鈴木敏夫さんら、目上の人たちからも絶賛されていましたが。

大根: そうですねえ。糸井さんには『モテキ』も褒めていただいて。いや、ありがたい話ですよ。『恋の渦』はほんとに全然そんなつもりはなくて、形としては自主映画だし、やり逃げのつもりだったんですけど(笑)。当初は12回くらいの上映といわれていたので、そこでちょっとでも爪痕を残せればいいなぐらいに思っていたのが、まさかこんなにロングランになるとは。ましてや海外の映画祭に呼ばれるなんて考えてもいなかったし。

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-目上のおじさま方から愛されていることについて、ご本人はどう受け止めていらっしゃるんですか?

大根: いやいやいや、別におじさま方を転がしているつもりはないですよ?(笑)。ただ、年配の方にギラギラした欲望がないのかというとそんなこともないでしょうし、恋愛ものとかは、ファッションや言葉づかい、携帯みたいなガジェットの見え方は今どきでも、根底に流れる物語性や感情はどの世代もそんなに変わらないはずなので。

-そういえば、大瀧詠一さんが大根さんの作品を褒めていたという話も。

大根: ナイアガラのスタッフに知り合いがいて、その人から聞いた話では、さっきおっしゃってくれた『まほろ』のカラオケビデオの回が良かった、と。大瀧さんはバラエティもものすごく詳しい方なので、『探偵ナイトスクープ』をあそこまでフィーチャーしたドラマというのもどうかしてるぞ(笑)、というようなことをおっしゃっていただきましたね。

-大根さんは脚本も自分で書かれていて、よくツイッターでも「脚本がなかなか進まない」みたいなことをつぶやかれているんですが、それでもやっぱり自分で書きたいという気持ちが強いんですか?

大根: いやー、ほんとは脚本は書きたくないんです。もともとプロの脚本家ではないので時間もかかるし、効率が悪いなとは思うんですけど。脚本さえ書かなければ、もう少しコンスタントに作品がつくれるんですけどねえ。

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(c)「リバースエッジ 大川端探偵社」製作委員会

-でも、そこはやっぱり譲れないものがあるという。

大根: 今回も脚本は黒住光さんに手伝ってもらっていますけど、ベースの部分は自分で書かないとちょっとしっくりこないというか。といっても昔から書いていたわけではなくて、『週刊真木よう子』とか『湯けむり』辺りからなんですけどね。たとえばロケハンをして、いい場所が見つかった時に、「じゃあこのシーン、ここに置き換えて」みたいなことをするとセリフが微妙に変わるので、そういう時、自分で書いていると話が早いじゃないですか。あと、現場でちょっとセリフに違和感があるな、という時にも、もともと自分で書いているから変えやすい。

-人の書いた脚本だと、変えちゃマズいのかな、とか。

大根: うん、やっぱりそこは遠慮が出ると思うんですよ。

-たとえば、の話ですけど、山田太一さんの脚本があって、大根さんに演出の依頼がきたらどうされますか?

大根: いやー、考えたこともないですけど。山田先生がご自分と年齢の近い人物を主人公にされる場合は、やはりこれまで先生の脚本を何本も演出されてきたようなベテランの方のほうがいいとは思うんですけど。

-もちろん年配の人が出てくるにしても、主人公が若者という話も結構ありますよね。

大根: ああ、『ありふれた奇跡』とか。そうですね。先生の脚本は世代間の差異みたいなことがテーマになることも多いので、自分が演出する意味のようなものがもしあるのであれば、という感じですかね。って、畏れ多くて考えたことないですけど(笑)。

-次回作の映画も現在進行中とのことですが。

大根: 脚本の決定稿もできて5月から撮影に入ります。まだ詳しいことは言えないんですけど。

-そちらも楽しみにしつつ、ドラマの方も期待しています。今日は長々とありがとうございました。

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500_18.jpg ドラマ24「リバースエッジ 大川端探偵社」
原作:ひじかた憂峰・たなか亜希夫「リバースエッジ 大川端探偵社」 日本文芸社
演出:大根仁
脚本:大根仁
音楽:EGO-WRAPPIN'
出演:オダギリジョー、石橋蓮司、小泉麻耶ほか
制作著作:「リバースエッジ 大川端探偵社」製作委員会
(c)「リバースエッジ 大川端探偵社」製作委員会

テレビ東京系 毎週金曜深夜0時12分~放送
(テレビ大阪は翌週月曜夜11時58分)

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