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FEATURE|STANDARD ITEM OF CURLY 上質な素材と繊細な作り。CURLYを象徴する3つのスタンダードアイテムをレポート。

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STANDARD ITEM OF CURLY

上質な素材と繊細な作り。CURLYを象徴する3つのスタンダードアイテムをレポート。

カットソー生地を使ってあらゆるアイテムを構築する稀有なブランド〈カーリー(CURLY)〉。卓越したものづくりの技量もさることながら、そのユニークなウェアを現代のファッションシーンに自然に溶け込ませるデザインセンスが、多くの人を惹きつけています。今回は、〈カーリー〉のスタンダードともいえる3アイテムをピックアップ。デザイナー伊藤氏のインタビューやスタイリング提案を交えながら、ブランドの魅力を深掘りしていきます。

  • Photo_Tetsuo Kashiwada(KiKi inc.)
  • Styling_Kiyoshi Ikeda
  • Hair_Kazuki Fujiwara(Perle)
  • Model_Oleg
  • text_Tetsu Takasuka
  • Edit_Yosuke Ishii

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STANDARD ITEM 01_RAFFY ZIP PARKA

カットソーアイテムの定番といえば、スウェットパーカ。カットソーの魅力を熟知した〈カーリー〉は、生地を独自開発し、洗練されたフォルムに仕上げ、従来とは一線を画す一枚を生み出しました。

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RAFFY ZIP PARKA ¥16,800+TAX

ファーストシーズンからアップデートしつつリリースしている定番のジップアップパーカ。注目すべきは、無駄を削ぎ落とした、流れるようなラインのフォルム。それに寄与しているのが襟元です。フロントジップを開けた時にもしっかりと立ち、ボディからフードにかけての美しいラインをキープしています。また、強度の高い超長綿を使って編み上げた生地は、非常に弾力とハリがあり、着心地の良さを生み出すと同時に、美しいシルエットにも貢献しています。こちらの秋冬モデルでは、保温性が高く、肌触りのいいシープ起毛裏毛を採用。他にも、YKKの〈EXCELLA〉のダブルジッパーをフロントに採用するなど、細部にまでこだわって作られています。

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COLOR LEFT:CHARCOAL、RIGHT:GRAY

Interview With Designer

このアイテムを企画するに至った経緯を教えてもらえますか?

デザイナー伊藤(以下、伊藤)ブランドをスタートするにあたり、軸になるアイテムが欲しかったんです。そう考えた時に、僕自身のワードローブに長年必ずあったジップパーカがふさわしいと思いました。色々なパーカを着てきて、自分の理想とするイメージができていましたので。そんな中、このふっくらと柔らかい風合いの生地と出会い、それを自社工場の縫製技術とパターンで仕上げれば、イメージするものができるのではないかと思ったんです。

スウェットパーカに求めることとは何ですか?

伊藤あらゆるコーディネイト、シチュエーションに馴染む生地感、サイズ感が必要だと思います。また、着た時にちゃんと立体的なシルエットを形作ることも重要ですね。

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ファスナーはYKKの中でも最高峰と称されるEXCELLAに別注。ファスナートップにはブランド名が刻印される

とくにこだわったポイントを教えてください。

伊藤フロントを開けて着たときにも美しいシルエットが保てるように工夫しました。また、ジッパーには、YKKの最高峰である〈EXCELLA〉の別注品を使用しています。スライダーは主張しすぎないように細くしつつ、上げ下げしやすいように、小さいながら引っ掛かりをよくしました。ムシの部分には細いものを使用することで、スマートな印象になるようにこだわっています。ムシ一つ一つに磨きをかけているため、滑りが良く、スライダーと相まってより使い心地が良くなっています。

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美しいフードのシルエットを保つため、首元に当て布を施し、パターンやサイズ感を徹底的にこだわった

他のスウェットとの一番の違いは何でしょうか?

伊藤着用した時のフードの立ち上がりと生地の膨らみですね。

弾力があり、肌触りのいい優れた生地ですが、開発にあたりどんな苦労がありましたか?

伊藤ムラ感の強い独特な糸を調達することができたのですが、編み工場が通常揃えている機械では、硬すぎるか緩すぎる編み加減にしかできませんでした。しかし、苦労してイメージ通りのちょうど良い弾力と柔らかさを出すことができる機械を見つけ出すことができました。恐らく国内では1台しかない機械だと思います。

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ファスナーの裏にはジャケットなどに見られる見返しが施される。これによりフロントを開けても綺麗に収まる

美しいシルエットの秘密を教えてください。

伊藤通常はジャケットなどで使う見返しを付けることで、フロントを開けて着ても収まりが良くなるように工夫しています。また、可能な限りエッジにアイロンを使わずに縫う事で角のとれた雰囲気に仕上げたこともポイントです。

濃淡2種類のグレー杢で展開されていますが、その理由を教えてください。

伊藤粗引きのグレー杢はどちらも印象的ですが、それぞれまったく違う雰囲気の生地に仕上がりました。どちらも捨てがたく、両方採用するという結論に至りました。

Style Presentation

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RAFFY ZIP PARKA ¥16,800+TAX、MAZARINE ST TROUSERS ¥18,500+TAX、BLEECKER LS SHIRTS ¥16,500+TAX

プレーンなスウェットパーカですが、上質な素材やこだわったディテールにより、1枚で着ても様になる主役級のアイテムになっています。それをより引き立てるため、他のアイテムはシンプルにまとめてコーディネイト。ただ、平凡になりすぎないように、足元にはウェスタンブーツでスパイスを加えました。こんなインパクトのあるウェスタンブーツさえ許容する懐の深さも、このスウェットパーカの魅力といえるでしょう。

次のページではカットソー素材のセットアップをご紹介。
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