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#06 長嶋太陽(編集部)

松崎しげるばりに。
あれいいなあ、これいいなあ、と思うモノをなーんにも考えずにピックアップしてみたところ、あけてびっくりド地味なラインナップ。でも全部おすすめですよ。

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01
GRIND LONDON
グラインドロンドンのTシャツ

洗練とはなんぞや。 先日公開したYogee New Waves 健悟くんのインタビュー記事。カレーを食べながら話を聞くうちに、東京生まれ東京育ちの彼が備える”文化的洗練”っぷりにクラクラしてしまいました。「洋食屋のナポリタンが好きだって話すと、『シティボーイだねえ。』って言われるんですけど、よくわからないんですよね。」こんなセリフ、そうそう出てくるもんじゃない。生粋の東京人だけがまとうことを許された、「わかっている」かんじ。彼がインタビュー時に着ていたのは、タイで買ったという「Thailand」Tシャツ。その力の抜け方は、溢れるモノと空虚とがないまぜになった東京の本質を反映しているなあ、などと思った次第です。そこでこの一枚。突然のTAHITI。シュールなグラフィックと、コンパクトに美しく組まれた謎のテキスト。Fucking awesome系の薄いTシャツと、ザ・アメリカンなヘビーオンスTシャツ、そのちょうど中庸に位置するボディも忘れてはならない魅力。海や山で着るのではなく、あくまで都会で身につけましょう。
¥6,000+TAX

Fifth General Store 03-6303-0465
http://www.fifth-general-store.jp/

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02
TUKI
ツキのワークパンツ

ファイナル・アンサー・パンツ。 しゃがむ、すわる、歩く、漕ぐ、乗る。さまざまな行動の組み合わせによって、我々はタフな毎日を乗り切っています。それゆえ、デイリーに穿けるパンツ選びは、突き詰めていくと実に難しい。耐久性、快適さ、そして美しい佇まいと、いくつものチェックポイントをくぐりぬける一本を探して、今日もショップをめぐり試着を繰り返すさだめ。何しろ体も行動も人それぞれ異なるわけですから、そこに絶対的な正解はありません。そんな中で、〈ツキ〉のパンツは、一度足を通した瞬間に前言撤回してファイナルアンサー!!と叫んでしまいました。試着室で、小声で。ワークパンツというそっけないネーミング通りのワイドなシルエットと硬いコットンツイル。そして絶妙にちょびっと短い丈。光を反射しないほどに濃く染め上げられたブラックは、わずかな光沢を持つツイルの畝と相まって、品格すら感じさせます。腰回りの程よいフィット、裾の美しい落ち方、とにかくタフに穿ける生地と、チェック方式で見ても満点ではあるのですが、やはりこの魅力は一度足を通して体感して欲しいです。
¥26,000+TAX

Fifth General Store 03-6303-0465
http://www.fifth-general-store.jp/

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03
ayame
アヤメのメガネ

美と実。 「デザインとは機能と美しさを接続すること」と理解していますが、〈アヤメ〉のメガネ「マンレイ」はまさにそんな概念を体現するプロダクト。ノーズパッドまで一体になったミニマルなオールメタルフレームは、理屈抜きに美しく、かけてみるとその軽さ・フィット感に驚かされます。ブリッジの独創的なフォルムは決して装飾のためだけにあらず。あくまで機能を果たすための意匠であることがわかります。磨き抜かれたデザインの矜持を思わずにはいられません。日本においてメガネは装飾品、あるいは視力矯正器具として捉えられることが多いですが、夏の紫外線対策という大義名分は、もっと重要視されていいはずです。照れることなかれ。未来の自分を守るため、伊達はもちろん、カレーレンズに入れ替えたってOK。ガンガンかけていきましょう。
¥38,000+TAX

ayame 03-6455-1103

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04
EASTPAK × BEAMS
イーストパック×ビームスのリュック

いなたく、不完全。ゆえにクール。 リュックというのは、ラフに背負えてナンボのもんです。かといって、男の背中を大々的に飾るのだから、みんなと同じじゃ味気ない。そこで〈イーストパック〉×〈ビームス〉のコレ。ぱっと見はなんてことないフツーの〈イ―ストパック〉なのですが、〈ビームス〉40周年を記念して特別に制作されたモノトーン仕様の特別な旧タグが渋い。ちっちゃく「BEAMS」と入る、そのさりげなさも好みです。個人的には、〈イーストパック〉の魅力はいなたさにこそあると思っていて、作り込み過ぎていない不完全性は同ブランドが到達した高みかなと。アウトドアやスポーツよりもユースカルチャーとの結びつきが強い所以は、そんなところにあるのかも。東京の街をサバイブするにあたって、”コンサバティブであること”は真っ当な正解だと思いますが、このリュックが象徴するようなユースなムードを心に秘めて生きていくほうがかっこいいじゃんね、と主張したい今日この頃。と、いろいろ御託を並べてみましたが、余計なことを考えずにガンガン使いたいですね。すれて、汚れて、やれた表情になってきたころに、その真価がわかる気がします。黒もグレーもどっちも欲しいなあ。
¥7,800+TAX

ビームス 原宿 03-3470-3947