That Way About Things
ハラダユウコ
Archive&Style Shop Press
1971年2月東京生まれ。アメリカ、ヨーロッパを中心に幅広いジャンルと年代からバイイングされたUSEDやデッドストックを扱う古着屋「アーカイブ&スタイル」のショッププレスとして、古物をこよなく愛する日々を送っています。
www.archiveandstyle.com
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1964 Jungle Fatique 1ST
2009.07.18
フイナムブログをご覧の皆様こんにちは☆
3連休初日、青山もまるで熱帯雨林にいるような、
蒸し暑い天候であります。。。。。。。
だから、という理由(わけ)でもないのですが、
今日はヴェトナム戦争の時に、アメリカ軍特殊部隊が着用した、
「熱帯戦闘服(ジャングル・ファティーグ)」の1stモデルのパンツをご紹介します。
毎度のごとく、少しヴェトナム戦争の話も書きます。
随分前にフイナムブログで紹介させていただいた、
スクリーミングイーグル部隊のエアボーンジャケット(空挺師団用のジャケット)の回でも、
少し書きましたが、
ヴェトナム戦争では、ヘリコプターの技術が進歩していたために、
エアボーン部隊よりもヘリボーン部隊中心の戦いをアメリカ軍は進行しました。
そのために、ヴェトナム戦争は、
ヴェトナム戦争時をリアルタイムで生きた世代の多くの人々の意識の中に、
ヘリコプターの戦争として、
今も永遠に刻み付けられていると思います。
(私はまだ小さかったので、もちろんその世代ではありませんが。。。)
たしかに、ヘリコプターは他の何よりも、
ヴェトナム戦争でのアメリカ軍の存在を象徴するものでした。
ですが、
スクリーミングイーグル部隊の話でも、書いたように、
そのヘリコプターは、多くの歩兵部隊の戦闘地までの移動手段でもあったわけです。
つまり、
ヴェトナム戦争は本質的には、歩兵の戦争でした。
歩兵士たちは、海兵隊のライフル兵や航空騎兵隊員、陸軍特殊部隊リコンドー隊員など、
皆が濃密なジャングルや高く険しい丘陵、
冠水した水田で行動しなければならないことが殆どでした。
また、熱帯雨林気候特有の
ある時はうんざりするような暑さの中や、
またある時には、体の芯まで冷えてしまうモンスーンの雨の中戦わなければなりませんでした。
その様な前線で戦う歩兵士たちの日々の暮らしは、
ほかのどんな戦争よりも惨めなものといっても過言ではなかったそうです。
そして、歩兵士たちは、
志願者も徴兵された者も等しく、戦闘の重荷を背負わなければいけませんでした。
時代とともに、兵器の進歩のせいもあって、
ヴェトナム戦争で歩兵が携帯した装備の重量はそれまでの、どの戦争よりも増えていました。
陸軍や海兵隊の歩兵が携行した装備の総重量は、
平均25㎏から30㎏で、それ以上になる事も珍しくなかったそうです。
ヴェトナム戦争で新しく歩兵の別名として登場した「グラント(不満の声)」という名は、
実はこうした装備の重量から来ているそうです。
さて、やっと今日の本題に入っていきます。(笑)
こうして重いリュックサックを背負って、水田やジャングルを進む兵士たちには、
あまり気付かれなかったかもしれませんが、
アメリカ軍の開発担当者たちは常に、兵士たちが快適とは言えないまでも、
楽に過ごせるように気を配っていました。
今回アップしている「熱帯戦闘服(ジャングル・ファティーグ)」は、
軍による衣料と装備の開発が非常にうまくいった珍しい例で、
ヴェトナム戦争以降現在に至るアメリカ全軍の野戦服の基礎となりました。
このジャングルファティーグの1stタイプは、
1964年に導入された第5特殊部隊の下士官兵に、
新型の熱帯戦闘服として初めて支給されました。
そして、1963年の開発以来、
改良を加えながらヴェトナム戦争の終結まで使用されました。
デザインの基本となったのは、
第二次世界大戦のパラシュート部隊用戦闘服で、
作りはゆったりデザインされていて、
生地はコットンポプリンを用いていました。
この生地はヴェトナムの熱帯気候特有の
害虫などの熱帯地の危険から身を守るには非常に有効なうえ、
通気性が良く、濡れてもすぐに乾いたので、戦場のあらゆる状況に最適でした。
今回ご紹介しているタイプは最初の1stタイプで、
この後も、基本的な形はそこまで変化しないものの、
後のタイプには見られない、いくつかの特徴を備えています。
例えば、その一つがポケットのボタンがすべて露出している事や、
腿のカーゴ・ポケットには、
ポケットの中身が動かないように縛り付けるための布製テープが縫いこまれています。
デッドストックではありませんが、
コンディションは非常に良い状態です。
気になる方は、
お問い合わせくださいませ~~~☆
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