In god we trust...

2011.03.10

みなさんはアルジェリアと聞いてどんな情景を思い浮かべますか?

そもそも世界地図でどこだか指せますかね(笑)?

そういう僕も良く解らなかったのでいつものようにググってみたところ...

アフリカ大陸は北は地中海に面し、モロッコの隣に位置する世界11位の領土面積(アフリカでは2位)を誇る大国だそう。

国名はアルジェリア民主人民共和国という、今日の映画には似つかわしくない正式名称持つ国ですが、これに大きく起因しているのが1830年から1962年の間、フランスの植民地支配下にあった事が大きいようです。

この事ににより母国語であるアラビア語の教育が禁止され、イスラム教は厳しい規制を受け、キリスト教への改宗を勧められたことによって自国のアイデンティティーを形成する事なく現代社会に放り出されてしまった故に引き起こされる歪み。

そしてそれが内戦真っ只中の1996年に、のどかな山村にある修道院での7人の修道士虐殺という惨事を引き起こしたのです。

本当にのどかな、僕たちのアルジェリアのイメージとかけ離れた美しい山村で...

いや、文句なしに素晴らしい！

沈黙のなかに粛々と紡がれる日々の生活が、祈りが、そしてその儀式が、質素な生活に彩りを加えていく様がとにかく美しい！

昨年のカンヌ国際映画祭グランプリ受賞、そしてセザール賞を総ナメにし、先日のアカデミー賞外国語部門のフランス代表作品に選出されたのも納得。

今の日本にはない（もちろんそれも立派な文化の形ですが）それでいてかつては持ち合わせていたであろう忘れ物を見つけた気持ちになりました。

★★★★★

派手さはないものの、途中から吸い込まれるように、そして観終わった後からグッとくる事間違いなし。

もっと話を理解したくて珍しくパンフレットを買ってしまったほどですが、これDVDで見る類いの作品ではないので、忙しくても劇場で観ることをオススメします。

｢ソーシャル・ネットワーク」も「英国王のスピーチ」もいいけれど、これも全然負けてないっていうか、英米資本だったら結構いいところに食い込んでたと思います。

もう一回観たい!!

素晴らしい作品です!