Boolog A Go-Go!
石光 史明
VISUAL CONNEXION C.E.O
NY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪
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もしあなたも足を止めてこの記事を読んでいただけたのなら...?
2013.01.17
何の事はない世界的なバイオリニスト(これは本当)ジョシュア・ベルが実際に参加した米・ワシントンポスト紙の有名な実験で、この記事は2008年のピューリッツァ賞も獲ったものなのですが、まぁこれが酷い誤訳(日本語も酷いけど)。おまけにここまでくると他愛のない作り話ってよりもiPS級に悪質なもので開いた口がふさがらないほど。ただあれと違って期待してしまった患者さん達やそのご家族がいない分、他愛がないものですが...
当然の事ながら本物の記事は実にユーモアとウィットに富んだ素晴らしいというか全く内容違うし(苦笑)、本当に「いいね!」な記事。
それにしてもシェアで出回ってたやつ?日本人好みなのはわかるけど、あんなにいやらしくかつウェットに仕上げる事もなかったのに...
実験が行われたのは2007年1月12日(金)朝の7:51から43分間の通勤ラッシュ時にワシントンの、言ってみれば日本の霞ヶ関や国会議事堂前の地下鉄の入口とエスカレーターの間で行われたもの。実験の目的だってシェアされまくってるそれとは違うもの。
結果として、実際には子供以外にもちゃんと気付いた大人はいるし、それぞれのコメントも興味深い。
個人的に何よりグッとくるのは最後に一人の女性が彼の議会図書館(国会図書館)での演奏を以前聴いた事があり、その彼が目の前でそれも地下鉄の駅で弾いている事に気付き、聞き入り感動し声をかけ、ジョシュアが彼女に歩み寄って謝辞を言う姿。
また実験後のジョシュア本人の「43分で32ドル17セント稼げるなら案外これで食べていけるかも。エージェントにお金を払わなくていいし。」的なのコメントも高尚で敬遠されやすいクラッシックを身近に感じられて実にいい。
...っていうかさ、(別にホームレスがどうのって訳じゃなく一般論として)仮にホームレスに扮した三つ星シェフが高架下で何かを作っていたとして、匂いに誘われて通勤途中の人が足を止めて食べるかって話。 でしょ?
それをピュアな気持ちの象徴かのように子供なんか持ちだして気持ちが悪い。どう考えても胡散臭いにもほどがあると思うんだけどなぁ...っていうか「彼の音楽が気になったが3歳の男の子だけ」なんて触れ込みだけで嘘だって気付けるはず。そんな事あるわけがない。
どんなものであれ、それが高かろうが安かろうがTPO(あ、これ石津謙介さんが提唱した和製英語だから外人さんに頭文字だけ言っても通じませんよ)ってものがある訳ですよ。
あれ?って思ったら調べる、探す、突き止める。
それは知識となり蓄積され、いつしかその先の感動への近道になると僕は思っています。
シェアっていうのはさ、ある意味その人が自信を持って友達にオススメします!って事だと思うんですけどね。何でもかんでも押してると、結果的に嘘を流布する事になっちゃいかねない。
だから今回は該当するシェア記事も元ネタも自分で探してみると楽しいと思って、あえて載せていません。ここに載ってるキーワード入れてググればどちらも10秒で見つかります。
ただ見方を変えると今回のシェアネタにも功罪で言うなら「功」の部分もあるのかなと...
それはどんなに良い物だって知識や造詣がなければ全く違うものになる事もあるはず。知っているからこそより楽しめる 、感動できる事が多々あるって事を気付く切っ掛けになったかもしれませんよね。逆に知識がないと真贋を問うことすらできなくなってしまいませんからね。
もちろん闇雲な知識だけじゃなく、色々な本を読んだり映画やアート、音楽に触れたり(親や先生が触れさせてして)心を豊かにすることによって、誰がどんな銘機を使ってどんなに歴史上に残る傑作(これも酷い誤訳なんだけどね)を弾いた演奏よりも、明らかに習い始めの子供が音程を外しながら一生懸命弾いている発表会の演奏が心に響く時もあるように、様々な「綺麗なもの、素敵なもの」に気付ける基準の幅が広がるのは間違いないという事です。
でも、やっぱり本物はさすがですよね。
タイトルもいいじゃないですか! "Pearl before Breakfast"だって♪
洒落てますよね。英語の「豚に真珠(Cast pearl before swine)をもじったものだと思うんだけど、色々な意味で実に言い得て妙。
ちなみにこの「豚に真珠」は新約聖書のマタイによる福音書第7章にある「聖なるものを犬にやるな。また真珠を豚に投げてやるな。恐らく彼らはそれらを足で踏みつけ、向きなおってあなたがたにかみついてくるであろう。(Give not that which is holy unto the dogs, neither cast your pearls before swine, lest they trample them under their feet, and turn again and rend you.=英訳も版元によって違いアリ)」から来てます。
話はそれますが、20年くらい前にナイジェル・ケネディーのインタビューしに彼の生まれ故郷であるブライトンまで行ったのを思い出しました。あの頃は英語もたいして出来なかったのにイギリス人のカメラマンとVEと3人だけの珍道中。おまけに本人が運転する車に乗せてもらって街を案内してくれて。良くまぁあんなに親切に対応してくれたなぁ...って、嬉しくてロンドン戻ってすぐにバージンに行って彼のCD全部買ったなぁ(笑)。バイオリニストには意外とユーモアのわかる(ナイジェルの場合はある意味完全に越えちゃってますけれど)人が多いのかもしれませんね。
もしあなたも足を止めてこの記事を読んでいただけたのなら...ちゃんとググれば正確な記事にたどり着く事ができるという事です。シェアする必要はありません(笑)。



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