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矢野考太郎バーニーズ ニューヨーク メンズPR世界有数のスペシャリティストアとしてワールドワイドな視点での品揃えが魅力の、「バーニーズ ニューヨーク」のPRを担当。www.barneys.co.jp

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矢野考太郎
バーニーズ ニューヨーク メンズPR

世界有数のスペシャリティストアとしてワールドワイドな視点での品揃えが魅力の、「バーニーズ ニューヨーク」のPRを担当。
www.barneys.co.jp

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M's TURQUOISE TREASURES #4   Dickie Quandelacy

2010.04.15

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みなさんこんにちは!すっかりご無沙汰しておりました、矢野の先輩、中野です。

3月に神戸店がオープンするまでは、神戸店と神戸コレクションで頭の中がいっぱいで、中々矢野のブログにお邪魔できませんでした。

神戸店もおかげさまで好評いただいているので(特に週末は混雑によりお待ちいただくことも多く、すみません!)安心してまた私のライフワーク、インディアンジュエリーの話をさせていただきます。

ターコイズ大好きです!な私ですが、それ単体だけではやはりときめきは半分です。

半貴石のターコイズは、素晴らしいアーティストの生み出すジュエリーにセットされてこそ更に輝きを増します。


これから何回かに分けて、私の好きなアーティストを紹介します。


最初に紹介するのは
劇団ひとりというか、香港俳優に似たズニ族のイケメンアーティスト
<ディッキー・クァンデレシー>です。
100415_004014.jpg
私がインディアンジュエリーにはまったきっかけは、

社会人1年目に中学、高校のラグビー部の先輩だった成田さんがディッキーのリングをしているのを見てからです。


当時渋谷にあった「スラブ」*現在は上野にあります。という素敵なインディアンジュエリーショップで働いていた成田さんの指に、今まで見たことがないデザインのリングが光っていました。

それが上の写真の左側にある、ゴールドマザーリップ(黄色の貝殻)とジェット(木の化石)が'フレンドシップ'というコマドリがお互いのくちばしをサークルの形にしてついばんでいる様をデザインにしたリングです。


そのころ(1996年)グッチのリングやセルジュ・トラバルのリングをしていた(懐かしい!)私は、その1点物の持つ魅力に完全にノックアウトされました。

借りて付けてみると、デザイナーズの服にも実にしっくりきます。聞けば1年待てば自分の好きな石でオーダーしてリングを作ってくれるとのこと。

迷わずお願いしました。しかも成田さんモデルと同じ配色をマネさせてもらいました(笑)
お洒落はいいと思った人を真似ることから始まりますからね!

聞けばズニ族であるディッキーは農耕民族なので、雨が降って農作業ができない日にのみ制作を行っているために作品のできが非常に遅いとのこと。


そんな彼の実直なスタイルにも好感を持ちました。


約8ヶ月後に他に待っているお客様より早くなぜかディッキーが私のオーダーを先上げしてくれて、取りに行ったときの嬉しさったらなかったです。今思えば成田さんのパワーだったのでしょうか。


よく見ると成田さんのデザインよりボックス型の縁取り幅がシャープに仕上がっていました。聞くと1つずつ台座を作ってからその台の深く掘った溝に合うように石を削ってはめこむという、気の遠くなる作業を経て完成するリングでした。削りすぎたらその石は使えないので捨ててしまうのだそうです。

根気のいるデザインだな~としみじみ自分の中指に収まっているアートに酔いしれたものです。通常このようなインレイと呼ばれているような技法で作るリングは、フラットな台座にシルバーと石を貼り合わせて作るのですが、ディッキーのリングは掘った台座に石をはめ込むスタイルなので石に厚みがありぶつけても簡単に壊れないということでした。

実際相当ぶつけて石も角が欠けたりしていますが、今も外れることはなく、台座はびくともしていません。もう16年くらい持っていますが、未だに輝きを失わない私の宝物です。


赤いリングはメディタレニアンコーラル(地中海珊瑚)をあしらったリングで、古くからの友人で私以上のインディアンジュエリーコレクター、タカオさんとおそろいのリングです。
kingbeargall-img600x450-1269851500txdbji53640.jpg


先輩や友人と同じデザインのリングをそれぞれ持つなんて不思議な感じですが私はこの'フレンドシップ'のデザインが引き寄せてくれた縁を感じています。


このデザインは<アミイ>という元奥さんも得意としているデザインですが
<アミイ>の作品はもっと大味でフラットな表面になります。
AMY2.jpg

ディッキーの匠の技とも言えるエッジの磨き処理は素晴らしいです。

実はもうかなり前にディッキーとアミイは離婚して、2人の子供達が奥さんの元について行ってしまってから、ディッキーはほとんど作品づくりをしていないそうです。

彼に後継者がいないのは非常に残念ですが、そんな繊細なところも彼らしさなのでしょうか。

まだ今なら恵比寿の「ゴッド トレーディング」をはじめいくつかの店でも彼の作品を見かけます。

リングも探せば3万円台から5万円台で見つかるので、値段も決して高すぎるものではないです。

ターコイズは主張が強すぎるという方でもインディアンジュエリーの魅力を知るきっかけになる作家だと思います。


ちょっと思い入れあり、接客してるのか?というくらい熱くなってしまいましたので
今日はこの辺で。

次回も長文、お付合いください。

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