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COLUMN

瀧川鯉斗落語道。

文:瀧川鯉斗

新型コロナの影響で休業していた都内の寄席や演芸場。6月以降、徐々に再開され、オンラインでしか演れなかった落語家たちも本来の場所に戻りつつあります。そんな状況のなか、瀧川鯉斗さんも数ヵ月のブランクを経て、やっと高座に復帰! でも、なかなか最初からエンジン全開とはいかず、そこには噺家ならではの試行錯誤があったようです。一方、落語以外ではテレビ番組『ワイドナショー』への出演が話題に。今回はそこでの裏話も披露してもらいました。

第二話 三ヵ月ぶりの高座、テレビ出演。

コロナ禍が続いておりますが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか? おうちでテレワークされている方、出社されている方もいらっしゃると思います。ここにきて感染者数が増えてきていますので、とにかく感染しないよう引き続き、万全な対策を取りましょう。さて、緊急事態宣言の解除後、落語界も少しづつですが、動き始めて参りました。

寄席の小屋はひとが集まる場所のため、もともとそれを想定して換気が行われていますが、さらにいまは興行中に換気の時間を取っています。また、約300人の客席を150席程度に絞ったり、最前列は演者との距離が近くなるので開けたりしています。

いろいろと万全なコロナ対策をしておりますので、是非! 寄席や落語会にお越し下さい! っと大声で言えないこのご時世は、ホントに嫌な感じですね。万全な対策を取っていても、もしお客様が感染してしまったら、元も子もないですからね。

緊急事態宣言の期間を含めた約三ヵ月間の “高座ブランク” はかなり心配でした。解除されてやっと高座に上がれたのが7月1日のこと。久しぶりすぎて、まるで前座時代の初高座の時にみたいに緊張しました。

落語家はそれぞれ高座に自分の型がありまして、普段継続して上がっていれば型を忘れることはありませんが、三ヵ月も離れているとそれが出せないのではと不安になりました。ただ、体に染み付いた型は寄席の初日、二日目、三日目と高座に上がるにつれて徐々に取り戻せたので安心しました。振り返ると、7月上席は落語のリハビリをしていましたね…。いまはやっとリハビリを終えまして、磨きにかかっております(笑)。

落語以外ではテレビのお仕事もありまして、フジテレビの番組『ワイドナショー』に出演しました! メンバーは、レギュラーの松本人志さんと東野幸治さん、ゲストで中居正広さん、ファーストサマーウイカさん。『ダウンタウンのごっつええ感じ』、「SMAP」世代でもあるぼくは、名だたる方々と一緒に共演できる嬉しさで一杯でした。

中居さんは、本番前にお喋りした時に暴走族だった頃の話で盛り上がり、話をしている最中に地元の先輩かな? っと錯覚するくらいでした(笑)。収録では松本さんにも漢の心持ちを理解して下さり、大変感謝しております。

これからは落語を中心にしつつ仕事の幅を広げて、いろいろなことに挑戦したいと思っております。

『ワイドナショー』出演時の鯉斗さん。

PROFILE

瀧川鯉斗
落語家

落語芸術協会所属。1984年名古屋生まれ。高校時代からバイクに傾倒し、17歳で地元の暴走族の総長に。2002年に上京。新宿の飲食店でアルバイトをしている時、師匠・瀧川鯉昇の独演会を観たことをきっかけに弟子入り。05年に前座、09年に二ツ目に昇進し、2019年5月、真打に。

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