ファッションとカルチャーの “発信地” として発信をつづけるパルコを舞台に絶賛開催中の「PARCO ART & CULTURE DAYS」。アート、ファッション、音楽、マーケットなどさまざまなカルチャーをテーマに、全国15店舗で各店独自のイベントを同時開催しています。今回は編集部のある渋谷からすこし足を伸ばして吉祥寺パルコ、調布パルコでのイベントの様子をお届け。吉祥寺パルコは11月16日(日)までなので駆け込みもOK。アートとカルチャーの熱気を浴びに出掛けてみては。(調布パルコは会期終了)
Photo_Yuco Nakamura
Edit & Text_Akiko Maeda
DATE:10.26.Sun @PARCO KICHIJOJI
“Face to Face -顔と顔を向き合わせて-。
感動で顔を見合わせるような注目イベントが続々。
有名美術大学のキャンパスを有し、漫画家・楳図かずおさんの “UMEZZ HOUSE(通称まことちゃんハウス)” があることでも名高い吉祥寺。吉祥寺パルコでは、開業45周年キャンペーン「カルチャーに恋してる」の一環として “PARCO ART&CULTURE” という館内だけではなく街全体を巻き込んだイベントを開催中です。
今年は平山昌尚(HIMAA)さん、山川鎌さん、いもとさちえさんの3名のクリエイターの描き下ろし作品が館内をジャック! 「“Face to Face -顔と顔を向き合わせて-」のテーマ通り、表情、かたち、色彩など、アーティストたちが描き出す多種多様な “顔” は見るひとによってさまざまな印象を抱くだけでなく、時に抽象的で時にユーモラスです。街全体を彩る “顔” と観客であるわたしたちの “顔” が見つめ合うような気分になるはず。
記号的なおかしみに満ちた平山昌尚さんのドローイング作品は、きっとどこかで目にしたことがあるでしょう。無表情のような、満面の笑顔のような、泣き顔のような…不思議な “顔” が館内に出現。時間非公開のゲリラライブペインティングが実施されたことでも話題に。噂を聞きつけた大勢のファンが見守るなか、平山さんが目の前で仕上げてくれました。
また、グラフィックデザイナー・山川鎌さんは吉祥寺パルコのメインビジュアルだけでなく、名古屋パルコの全館アートジャック企画とアートマーケットにも同時期に参加。いもとさちえさんの地球外生命体のようなミニマルなキャラクターたちも館内を彩ります。
4階イベントスペースでは3名の作品をスペースいっぱいに展示。ミカン農家の収穫カゴを積み重ねたオリジナルの展示什器もユニークだ。見るひとそれぞれが作品について想像し、顔を見合わせて語らうアート空間になっている。
また、週末限定で1階正面入口前スペースに「ART KIOSK」が登場。お酒の飲める靴下屋「クツシタトサケbobo」や、総勢15名のシェフが日替わりで腕を振るう地元の拠り所「HOME PLANET」のほか、一面ピンクで彩られたド派手な店内で御美娘(オミコ)ママが迎えてくれる「おみごとスナック 御美娘」、地元民に愛される井の頭公園のパン屋さん「NAKADA BAKERY」、週末ごとに異なる個性たっぷりの4店舗がフード&ドリンクでイベントを盛り上げます。「Face to Face」のビジュアルをプリントしたクラフトビール缶やアートZINEの取り扱いもあるので、ふらりと寄ってみても楽しいはず。
1階入口近くには3名のクリエイターのグッズがゲットできるオリジナルガチャ「ART GACHA“PARCO A&C SPECIAL”」のほか、4階の「ガシャココ」のセレクトによるアート関連のガチャを特設している。
各所で行われた多種多様なイベントで
パルコ館内と街全体が沸く。
10月26日(日)の「芝生蚤の市」は、毎年人気を集めるイベントですが、生憎の雨に見舞われ室内に場所を変えて開催されました。吉祥寺パルコからほど近くのカフェ&ギャラリー「キチム/芝生」で行われた「芝生蚤の市」改め「“雨の”芝生蚤の市」には、40店舗を越えるショップが出店。街の小さな店や作家たちが集って芝生を広げ、まるで自分たちの商店街を開いているようなマーケットでした。雨の中、入場制限を設けるほどたくさんのお客さまで賑わい、第4回目となる今回も大盛況のうちに幕を閉じました。
吉祥寺の街にはヴィンテージショップやアートギャラリー、古書店など、カルチャーを感じるスポットが点在していてブラブラと歩いているだけで飽きないし、グルメなひとたちを唸らせる名店や食べ歩きフードの店も多く、街全体がエネルギッシュです。吉祥寺パルコを拠点にさまざまなスポットを巡ってみてはいかがでしょう。
中野区鷺ノ宮にあるヴィンテージショップ「HIBIWA」(写真左)では選りすぐりの古着を、「東欧雑貨店 obchod」(写真右)ではファニーな表情がなんとも言えない可愛さのぬいぐるみを発掘。
DATE:10.28.Tue @PARCO CHOFU
“まちとつながる” をテーマに
地元を巻き込みアートの魅力を発信。
『ゲゲゲの鬼太郎』の作者である調布市名誉市民・水木しげるさんが50年以上暮らした調布の街を舞台に、「調布PARCO芸術祭 2025」と銘打ったイベントが開催されました。地域住民とアーティスト、地元企業・団体が参加し創造し発表する、多岐にわたるプログラムが続々と行われました。
メイン会場である1階イベントスペースでは、デジタルとフィジカル、ハイテクと手作業、モノの視点とひとの視点を行き来しながら “まちと遊ぶ” リサーチユニットTMPR “てんぷら”(岩沢兄弟+堀川淳⼀郎+美⼭有+中⽥⼀会)による「動点観測所―調布にハシゴをかける」を開催。顔写真を撮影して受付すると、そのひとの顔立ちや服装を元に、AIによる調布の街のルート案内と街歩き日記を提案してくれます。休日には多くのひとで賑わい、各々がスマホを片手に街歩きへ出発する拠点となっていたようです。
また、スペース内ではTMPRのメンバーである岩沢兄弟や、古い建物から発掘されたデッドストックのグラスや花器、生活用品をリメイクするアーティストScratch (un)builtの作品の展示販売のほか、地元の福祉作業所「しごと場大好き」に通うメンバーによる絵画作品のグループ展も同時開催され、幅広い年代、性別の “アート好き” で賑わいを見せました。
オリジナルMAPは、事前リサーチ「調布の隠れた魅力を教えてください」ワークショップで登録された情報をもとに制作された。立ち寄りマストな観光スポットから個性全開のコアなスモールショップまで、調布の街を丸裸にしたないようになっている。
よシまるシンの作品群とともに
調布の街のあふれる魅力を紐解く。
館内階段の踊り場の壁を舞台に、岩手県盛岡県出身で20年に渡って調布市民でもある、よシまるシンさんによる二つの作品がお目見えしました。2階、3階には彼の脳内に広がる調布にまつわるワードを曼陀羅で表現した調布愛にあふれた作品「調布レン図」が、3階、4階には一度スタートしてしまうとなかなか抜け出せない、調布パルコの建物を巨大阿弥陀(アミダ)に見立てた「CHOFU PARCO TOILET INFORMATION AMIDA」が観賞できます。どちらも大型で通行人を巻き込んだ参加型作品とあって、アート好きの心を掴んでいました。
作者のよシまるシンさんによると「調布深大寺は厄除けの元三大師が有名ですが、本堂には鎌倉時代の宝冠阿弥陀如来像も祀られています。本展示にあたり “調布パルコの階段を自分なりの祭壇に” と考えました。あくまで自分なりの、ですが」とのこと。元々あった踊り場の壁の模様と驚くほどマッチしていて、背景も含めてひとつのアート作品として完成させています。よシまるシンさんの脳内に広がる “調布” を体験することができました。
さて、見どころたっぷりで語り尽くせない「PARCO ART & COLTURE DAYS」の魅力を少しは感じてもらえたでしょうか。札幌パルコでのイベントに潜入した[VOL.2 札幌編]」は11月中旬に公開予定。こちらもぜひチェックを。
PARCO ART & CULTURE DAYS
会期:2025年10月10日(金)〜11月10日(月)※店舗により会期が異なります。
対象店舗:全国のPARCO15店舗 (札幌・仙台・浦和・渋谷・池袋・調布・ひばりが丘・錦糸町・吉祥寺・静岡・名古屋 ・心斎橋・広島・福岡、PARCO_ya上野 )
Official HP
Campaign Video
Kichijoji PARCO
Address: 1-5-1 Kichijoji Honcho, Musashino-shi, Tokyo
Hours: 10:00 - 20:00
Official HP
調布PARCO
住所:東京都調布市小島町1-38-1
時間:10:00〜20:30 ※一部ショップは営業時間が異なります。
Official HP

