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ミラノ発ランニングブランド〈ワイルドティー〉とは? 来日した創業者に、その背景や思いを聞きました。

ランニングがカルチャーとして成熟していくなか、いま注目すべきムーブメントのひとつがインディーズブランドの台頭です。大手スポーツブランドとは異なるアプローチでものづくりを手掛けるそれらの存在は、ギアにこだわりを持つランナーたちから熱い視線を集めています。

そんななか、新しもの好きなランナーならぜひチェックしておきたいのが、イタリア・ミラノ発のトレイルランニングブランド〈ワイルドティー(WILD TEE)〉です。

〈ワイルドティー〉は「Reconnect with your Nature」をコンセプトに2015年に創業。シリアスなランナーも納得する機能性と、イタリアらしい感度の高いグラフィックデザインを融合させたプロダクトを展開しています。

さらに、自然環境保護団体「1% For The Planet」に加盟するなど、サステナビリティへの意識が高いことも特徴です。同ブランドは、2月6日に開催された〈ビームス スポーツ(BEAMS SPORTS)〉によるランイベント「BEAMS SPORTS featuring WILD TEE “ONE CAN RUN HOUR”」でもフィーチャーされ、注目を集めました。

日本のランナーからの関心の高まりを受け、2月26日から3月2日まで東京・原宿で日本初のポップアップストアを開催。会期にあわせて来日した創業者のフィリッポ・カネッタさんと、息子でありクリエイティブディレクターを務めるクラウディオ・カネッタさんに、ブランドの成り立ちやコンセプトについて話を聞きました。


左:クラウディオ・カネッタ(ワイルドティー クリエイティブディレクター)
右:フィリッポ・カネッタ(ワイルドティー 創業者)


過酷なレースの経験をものづくりに反映。

ブランド誕生のきっかけは、フィリッポさん自身のランナーとしての経験にあるそう。仕事のストレスから走り始め、やがてウルトラトレイルレースにのめり込んだ彼は、サハラマラソンやウェスタンステイツ、UTMBなど世界各地の過酷なレースに参加。そのなかで「本当に着たいと思えるウェアがなかった」ことから、自らブランドを立ち上げることを決意したといいます。

「長い距離を走るなかで、機能だけでなく気持ちを高めてくれるウェアの重要性を感じるようになりました。自然のなかにいるときにも美しく感じられて、同時にどんな過酷な状況でも信頼できるもの。それを自分のために作りたいと思ったのが始まりです。私たちの製品はすべて、実際のレースやトレーニングのなかで試され、改善を重ねながらかたちになっています。山中でほぼ自力行動を強いられる状況を何度も経験したことが、素材や仕様への徹底したこだわりにつながっています」(フィリッポ)

イタリアのランニングカルチャーについて尋ねると、10年前のミラノには現在のようなカルチャーはほとんど存在していなかったものの、フィリッポさんたちが立ち上げたランニングクラブをきっかけにコミュニティが広がり、いまでは街中に多くのクラブが生まれているといいます。

「仲間と走り始めたことでコミュニティが生まれ、それが少しずつ広がっていきました。ミラノは都市でありながら自然が近い場所です。1時間もあれば山に行ける。その距離感が、私たちのものづくりやライフスタイルにも大きく影響しています」(フィリッポ)


コミュニティとの関係性を大切に。

父のフィリッポさんとともにブランド運営に携わるクラウディオさんは、「急激な拡大よりも、少しずつ支持者とつながっていくことを重視している」と話します。

「私たちは家族でブランドを運営しているので、成長のスピードよりも関係性の質を大切にしています。私たちの製品を本当に気に入ってくれる人と少しずつつながっていくこと、それがブランドにとってもっとも自然なかたちだと思っています。環境保護への取り組みも、ランナーが走れる場所を守りたいという思いから。コミュニティとの距離の近さを大切にしたいんです」(クラウディオ)

ものづくりのベースはトレイルランニングにありながら、街でも着られるデザインについては、「オーセンティシティ(本物)」と「クリエイティビティ(創造性)」という2つのキーワードを挙げます。実際に走って検証した機能と、想像力から生まれるデザイン。その両立こそがブランドの核になっています。

「自分たちが本当に信頼できるものを作ることが大前提。そのうえで、機能だけではなく感性にも訴えかけるデザインを大切にしています。トレイルでも街でも自然に着られるのは、ライフスタイルとしてランニングを捉えているから。走る時間だけでなく、その前後も含めて心地よくいられる服でありたいと思っています」(クラウディオ)

フィリッポさんは、トレイルランニングを「メタルやロック音楽のようなもの」と表現します。長い距離を走ることで始まる精神的な旅が、デザインのインスピレーションになっているのだとか。実際、メタル的な要素からインスパイアされたコレクション「Trail is Metal」も展開するなど、流行や他ブランドに左右されることなく、すべては自身の経験とアイデアから生まれる。それが〈ワイルドティー〉の揺るぎないスタンスです。

「長い距離を走ると、体だけでなく精神も旅を始めます。苦しさのなかで新しい感覚や発見が生まれる。その体験が私たちのデザインやメッセージにつながっています。これからも流行を追いかけるのではなく、自分たちが感じたことをそのままかたちにしていきたいですね」(フィリッポ)

インディーズブランドならではの自由な発想と、リアルなフィールドに裏打ちされた機能性。その両方を兼ね備えた〈ワイルドティー〉は、ランニングカルチャーの新たな潮流を象徴する存在といえるかもしれません。今後の展開にも注目したいところです。

Photo_Tada
Text_Issey Enomoto
Edit_Hiroshi Yamamoto

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WILD TEE

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