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Special Articles on RUNNING SHOES スポーツシューズ評論家・南井正弘による「ランニングシューズ」についての寄稿文。

2014.06.13

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スポーツシューズ評論家としても知られ、「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日のランニングを欠かさないフリーライターの南井正弘。そんな彼がファッションとしてではない、パフォーマンスシューズとしてのナイキランニングの魅力を、自らの体験談とともに綴る。

Photo_Kengo Shimizu
Text_Masahiro Minai
Edit_Hiroshi Yamamoto

VOL.5_南井正弘がナイキを選び続ける、その理由。
その後も自分のランニングライフにナイキのランニングシューズは重要なポジションを占めていた。2011年リリースのナイキ ルナグライド+3や2012年リリースのナイキ ズームエリート+は特に気に入ったシューズで、複数カラーを購入した。しかしながらここ数シーズンで最も心を奪われたナイキ ランニングは2013年2月に発売されたナイキ フライニット ルナ1+だった。フライニットによる高いフィット性と通気性、そして軽量性にルナロンミッドソールの高いクッション性をミックスしていて本当に走りやすい。速いペースでもゆっくり目のペースでも快適で、アウトソールのソフトな接地感も魅力的だったし。

というわけで、このモデルは2013年に自分が最も着用したランニングシューズとなった。そして2014年2月6日、同モデルの後継モデルがリリースされると聞いたとき、「まだモデルチェンジしなくていいのに。改良じゃなくて改悪でなければいいけど...」と思ったが、そんな心配は杞憂に終わった。

新たに発表されたナイキ フライニット ルナ2は、前モデルのベネフィットを継承しつつ、機能性の向上に成功。個人的にはナイキ フライニット ルナ1+に若干の踵の浮きとアウトソール前足部の耐摩耗性といった部分に不満を持っていたが、ナイキ フライニット ルナ2ではその両方ともが改善されていた。

ニューデザインのダイナミックフライワイヤーはサイドサポート性を向上させ、着圧分布からインスピレーションを受けてデザインされたアウトソールデザインは、着地から蹴りだしが本当にスムーズ。そして何といってもこのシューズはナイキ ランニングが誕生以来継承する「スタイリッシュで高機能」を実現している気がする。

技術革新が進むことによって、一昔前よりも機能性に優れたランニングシューズは増えている。しかしながら心から「カッコイイ!!!」と思えるランニングシューズは少ない。自分にとってナイキ フライニット ルナ2は、そんな数少ない存在のひとつなのである。そして2014年3月9日、ナゴヤシティマラソンのハーフマラソンの部において1時間38分55秒の自己記録を更新すべくナイキ フライニット ルナ2を履いて出場した。

軽量なのに衝撃吸収性能もしっかり追及しているこのモデルのおかげで快調にラップを刻む。Km/4分40秒を基準ペースとしていたが、このスピードにも充分対応してくれた。しかしながら18km地点以降で塩分不足のためか左のふくらはぎが何度も痙攣を起こす。最後の3kmでペースを上げて自己記録を塗り替えることを狙っていたので、これは大きな誤算となり、フィニッシュタイムは1時間39分55秒。

しかしながら走り終わって驚いたのは足がほとんど痛くない点。いままではハイペースでハーフマラソンを走りきるとつま先や土踏まず部分などに痛みを覚え、歩くのもやっとのことも珍しくなかったのだが、このシューズでは足とのフィット感が高く、自分の足の一部のようになっていたので、疲労が全くというほど残っていなかったのである。また名古屋の道路はアスファルトよりも硬いコンクリートの道がランナーの足を痛めつけるが、ルナロンミッドソールはそんな硬い路面にもしっかりと対応し、衝撃を吸収してくれた。
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ナイキ フライニット ルナ1+はフライニットによる高いフィット性と通気性、そして軽量性にルナロンミッドソールの高いクッション性をミックス。2013年に最も着用したランニングシューズとなった。4足購入し、ランニングシーンだけでなく、カジュアルシーンでも活躍してくれた。
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ランニングアパレルもそうだが、自分が本当に気に入ったモデルがあると、「今日も走ろう!」というモチベーションにもなるので、デザインというのは機能と同様に重要である。ナイキ フライニット ルナ2は機能性とデザインを高次元で融合している。
最後にまとめ。
小学校5年の頃の自分は雑誌「POPEYE」や「スポーツノート」を書店で立ち読みしながら「いつかナイキのシューズを履いてオレゴンを走ってみたい!」と夢想していた。それが今では現実のものとなっている。ポートランドのホーソンブリッジやバーンサイドブリッジを走って渡ったり、郊外のフォレストパークでトレイルランニングを楽しんだり、それは子供の頃に夢見ていたことなのだ。ほぼ毎日走るようになって6年が経過し、その間にはナイキ以外にも印象に残ったブランドは存在しているが、ナイキ ランニングに対する想いは、最も長い歴史を有する分、強い気がするし、ナイキ ランニングは今後の自分のランニングライフにおいても重要な位置を占めることとなるだろう。
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ポートランド郊外のフォレストパークを走る。着用シューズはナイキ ズーム ワイルドホース。こんな感じのトレイルコースが市街地から遠くない場所にあるのが羨ましい。
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スタイリッシュなランナーが数多く在籍することで知られるSTUMP RUNNERSのランナーたちとポートランドの街をグループラン。この街はランニングがライフスタイルと密接に結びついている。
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ポートランドのパールディストリクトにあるナイキ最初の契約アスリートであるスティーブ・プリフォンテーンのグラフィティ。不慮の交通事故死のあとも彼がトラックを疾走する姿はオレゴンの人々の記憶に深く刻まれていたという
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