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Special Articles on RUNNING SHOES スポーツシューズ評論家・南井正弘による「ランニングシューズ」についての寄稿文。

2014.06.13

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スポーツシューズ評論家としても知られ、「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日のランニングを欠かさないフリーライターの南井正弘。そんな彼がファッションとしてではない、パフォーマンスシューズとしてのナイキランニングの魅力を、自らの体験談とともに綴る。

Photo_Kengo Shimizu
Text_Masahiro Minai
Edit_Hiroshi Yamamoto

VOL.4_南井さん、フルマラソンへ挑む。目指すはサブ4!
自分にとってのロードレースの主戦場はあくまでハーフマラソンであり、フルマラソンへのチャレンジは考えていなかった。それは自分のランニングに対する考え方というかポリシーが「楽しく走る!」であり、記録のためにキツイ練習をするのは自分のポリシーに反するからである。しかしながら周囲の「サブ4は行けるんじゃないですか?」とか「フルマラソン完走すると人生観変わりますよ!」といった言葉に押され、初のフルマラソンに挑戦することとなった。

2009年10月、舞台はオレゴン州ポートランド。ポートランドマラソンは過去に日本人ランナーが優勝するなど、海外からの招待選手も出走するメジャーな大会。少しの自信と緊張感のなかスタートすると序盤は好調。フルマラソンはハーフマラソンとは違ってペースを抑えて後半までスタミナを温存するべきだが、調子のよさに明らかに途中オーバーペースとなっていたのを自分でも感じた。

そうして向かえたインダストリアルエリア(工業地帯)。市街地とは違い道路の凸凹がひどい。そんなとき14km付近で道路の直径30cmほどの陥没に右足がはまり、捻挫。後ろを走っていた女性ランナーが「キャー!」と大声を上げるほど体勢がよろけ、一瞬「骨が折れた!?」と思ったものの、痛みはあるが何とか走れる。中間点は2時間2分で通過したが、右足をかばっていたのが理由で今度は左足が痙攣し、万事休す。初のフルマラソンは5時間2分というタイムで終了した。

その後も同年の湘南国際マラソン、2010年の東京マラソンと短期間にフルマラソンにエントリーするが「4時間を切る!」という目標は達成できず。翌年のポートランドマラソンは4時間31分11秒、12月のロックンロールマラソン ラスベガスは自己記録を大幅に更新する4時間13分34秒でゴールするが、あと一歩のところでサブ4は達成できなかった。そして翌年1月の2010年度の湘南国際マラソンを迎えることになる。

この年度の湘南国際マラソンは例年の11月ではなく、サミットの警備などの関係から翌年の1月に変更されていたが、これが自分にとってはラッキーだった。前月にラスベガスでフルを走ったことから「フルマラソンがどの程度キツイか?」ということに変な恐怖心がない。また快晴で最高気温予想が10度という絶好のマラソン日和だったのも自分の大きな味方となってくれた。

この日にセレクトしたシューズはナイキ ルナグライド+。ミッドソールのダイナミックサポートがニュートラルランナーにも着地時に脚が内側に倒れこむオーバープロネーションランナーにも対応する1足。当時最も気に入って頻繁に履いていたシューズで、自分の場合基本ニュートラルな足の運びながら大抵30km前後からオーバープロネーションの傾向が出るので、1足で2タイプに対応するこのモデルはピッタリのはずだった。

この日は途中ペースが速く走りすぎてしまうこともなく、中間点は1時間55分、30kmを2時間42分で通過すると最後の5kmはペースダウンするも3時間56分09秒でゴール。念願のサブ4を達成することができたが、それにはナイキ ルナグライド+が大きな貢献をしてくれたのは間違いない。これまでで最も速いペースで走ったのにも関わらず、走り終わったあとのダメージは最も少なかったのである。

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ナイキ ルナグライド+は、ミッドソールのダイナミックサポートがニュートラルランナーにも着地時に脚が内側に倒れこむオーバープロネーションランナーにも対応する1足。自分のフルマラソン、サブ4達成に大きく貢献してくれた。写真のニュートラルグレーは日本未展開のアメリカ市場向けカラー。
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