チームで制作するおもしろさ。

―制作は、3人でバトンを回して完成に導くプロセスを踏んでいるそうですね。
飯高: そうですね。今回は10体作ろうと決めてから、誰かがデジタルでラフを作り始めて、ファイルを回しながら足していったり引いていったりして形をこねくり回し、それを何周もして形にしていきました。
―チームでひとつの作品を制作するにあたって、大切にしていることはありますか?
飯高: 楽しくやることを一番大切にしていますが、3人で回していると、気を抜いたり油断したりすると絶対にバレるので、緊張感を持ってやることも大切にしています。
浅葉: それぞれが個人で制作することもありますが、チームでやったほうが確実にいいものができると思っているので、自分にはない、ほかのメンバーの感性をおもしろがることを大切にしています。
石井: チームで制作すると客観的になれるんです。自分の作品は部屋に飾りたくならないけど、3人で作ったものは客観的に見ても気に入るものが多いんです。このアパレルも自分がすべて手がけていたら、着るのは恥ずかしいけど、これなら着たくなります。


―今回は新たな作品も制作していただきました。
飯高: 基本のコンセプトは「Running Shapes」と同じで、思想をさらに深めました。円形と3連のランナーを描いた作品は、集団で走るコミュニティの楽しさがモチーフ。シューズにフォーカスした5つの作品は、地面を蹴った瞬間に弾けているような様子を描いています。今回は5種類のシューズを選びましたが、〈ニューバランス〉にはまだまだ好きなシューズがあるから、もっとたくさん作れそうです。

―実在するシューズがモチーフになっているんですね。
飯高: そうですね。特徴的な要素を取り込んでいます。