コンバースを履くことでスイッチが入る、牧達弥のライブルーティン。

— ライブなどのステージ上での衣装のこだわりも教えてください。
メンバーそれぞれがブリティッシュを意識しつつも、バンドとしては基本的には自由。とはいえ個人的にはいろいろとルールがあります。例えば、武道館だったら絶対にスーツを着るとか。神聖な場所でもある武道館は、ビートルズがロックミュージックとユースカルチャーを持ち込んだ夢のある場所なので、彼らに倣ってスーツを着ると気が引き締まります。あとは、バンドを始めたばかりのころからずっとライブではいつも〈コンバース〉を履いています。
— なぜコンバースを選ぶようになったのですか?
ロックンロールやパンクカルチャーとも根深くて、ラモーンズやストロークスといった僕が大好きなバンドも昔から履いていたんです。アマチュアもインディーズ、メジャーも関係なく、どんなジャンルやシーンにも縛られずに誰もが憧れて、誰もが履ける。ずっと変わらないところがかっこいいんだと思います。
— 先人たちから引き継いだスタイルなんですね。
あと、あの紐をぎゅっと締める感覚がバスケ部時代の試合前を彷彿とさせるような気がします。その瞬間にスイッチが入るみたいな。それに、同世代のバンドで〈コンバース〉をアイコニックに履いている人がいなかったのも理由かもしれません。
— 「ALL STAR LGCY VELVET HI」を履いてみていかがでしたか?
すごく履きやすかったです。ベルベット生地なので、厚みがあってしっかりとホールドされている感じが心地よかった。一見、黒に見えるんですけど、実は深緑という絶妙なカラーリングもかっこいいですね。光の加減で色の見え方が変わって、自分らしく楽しめるんじゃないかなと。あとは、履き潰していく過程でどのように味が出てくるのかも気になります。


— 牧さんが最近ハマっているマイブームはありますか?
最近はスパイスカレーカレー作りにハマっています。毎回違う配分で作っては、友達にあげて感想を送ってもらうようにしていて、その統計から新しいパターンに挑戦するという。
— カレー作りの魅力はどこにあるのでしょうか?
曲作りとかミックス作業に近いような気がします。ほんのちょっとの差で仕上がりが変わるし、好みもあるじゃないですか。痺れ系の辛さとかなのか、クミンみたいなインドの街みたいな匂いが好きなのかとか。一番自分に合うものを見つけていく作業にハマってしまう気持ちが共通しているんだろうなと思います。
— カレー作りのきっかけはどこから?
最初はウイスキーだったんです。それまでは全然こだわりがなかったのに、ある日突然美味しいスコッチに出会って、そこからアイラ島やスペイサイドといった地域、樽、作り方、自然環境について調べるうちに、どんどんハマっていきました。そこから色々と飲み比べをしていたら、カレー食いたいなと思って。
— ウイスキーにカレーですか?
そうなんですよ。これにあう美味しい飯なんだろうなとか考えてて、スコッチは結構濃いので、食べ物もパンチがないと負けちゃうなみたいな。じゃあやっぱスパイスか……と辿り着いたのがカレー。最初は友達に教えてもらったレシピから、どんどんアレンジしていって今に至ります。
— ウイスキーとカレーって新鮮ですね。それを売りにしているお店もあまりない気がします。
そうですよね。この組み合わせだったらカレー屋もいけるかも?!(笑)
— 食のルーツもイギリスになるんですね。
アメリカのバーボンや日本のブレンデッドウイスキーはあまり体質や好みに合わなくって、スコッチのシングルモルトを飲んだ時に、これだ!ってハマったんですよね。今1番行きたいのはスコットランドです。ボウモアとかカリラとかいろんな蒸留所を巡りたいです。