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パタゴニアのレトロXがリニューアル。過去と未来をつなぐ、新たな魅力。Vol.01 甲斐一彦(BAMBOO SHOOTS ディレクター)
Reborn Patagonia Retro-X

パタゴニアのレトロXがリニューアル。過去と未来をつなぐ、新たな魅力。
Vol.01 甲斐一彦(BAMBOO SHOOTS ディレクター)

アウトドアシーンのみならず普段着としても浸透しているフリースを生み出した〈パタゴニア(Patagonia)〉。原型を含めると30年以上の歴史を持つフリース「レトロX」が今季リニューアルを果たしましたが、それは〈パタゴニア〉にとって重大な意義があるんです。これまでも、これからも、ずっと愛され続ける「レトロX」の魅力を2人に紐解いてもらいます。ひとりめは、「BAMBOO SHOOTS」ディレクターの甲斐一彦さん。

PROFILE

甲斐一彦
「BAMBOO SHOOTS」ディレクター

1973年生まれ。10代で古着と出会い、いまはなきヴィンテージの名店「METRO GOLD」のスタッフに。’98年にアウトドアショップ「BAMBOO SHOOTS」を中目黒にオープン。国内外のアウトドアブランドをセレクトし、古着の知識に裏付けられたデイリーユースもできるオリジナルのアウトドアウエアも展開する。トレイルランニングや登山など、アウトドアアクティビティを満喫中。

フリースといえば〈パタゴニア〉。

―「BAMBOO SHOOTS」では、毎週グループランを開催しているそうですね。

甲斐: 〈パタゴニア〉もサポートしているプロのトレイルランナー石川弘樹と親交があるんですけど、2年前、彼がプロデュースする「武田の杜トレイルランニングレース」に出場しようと友人に誘われたのがきっかけ。トレランのレースに参加するのは十数年ぶりだったから、友人に練習のコーチをお願いしたんですよ。その流れからお店で週1のグループランを開催することになりました。1キロくらいの激坂を何周もするから、グループランっていうより練習会。まさか2年間も続くなんて(笑)。

―それだけランニングにハマった。

甲斐: ランで出会うひとっておもしろいひとが多い気がして、山登りもそうだけど、一緒に体を動かすと関係が深くなるような気がします。

―ほかに、どんなところにランニングのおもしろさを感じますか?

甲斐: まだ長い距離を走ったことはないけど、走っているときは走ることしか考えないから、すごく贅沢な時間の使い方だなと思っています。もっと早くから走り始めればよかった。アウトドアの楽しい遊びは、たくさんあるじゃないですか。まだやれていないものもあるから、走って体をつくっておきたいです。トレイルは、単純に山のなかを走るのが気持ちいい。でも、気になることもあるんです。

―気になること?

甲斐: この登山道を走ってもいいのかな? って。’92年とか’93年とか、ぼくが20歳の頃、〈パタゴニア〉のカタログが大好きで、そこには必ず環境に対するメッセージが書いてありました。それを読んでいたから、走っても山にダメージがないか、と考えていて。

「BAMBOO SHOOTS」では、〈パタゴニア〉の前身である〈グレート・パシフィック・アイアン・ワークス(THE GREAT PACIFIC IRON WORKS)〉や〈シュイナード・イクイップメント(Chouinard Equipment)〉のザックがディスプレイされ、〈パタゴニア〉の歴史を感じることも。

―いまも〈パタゴニア〉のカタログからの影響が残っているんですね。

甲斐: ’80年代のアメリカの映画を観て育った世代だったから、アウトドアといったらワイルドだったし、アウトドアブランドはヘビーデューティなイメージでした。それが〈パタゴニア〉のカタログで印象が変わりましたね。

―その当時の〈パタゴニア〉は、どんな印象でしたか?

甲斐: よく行っていた服屋の先輩とか、かっこいいひとはみんな〈パタゴニア〉の「レトロ・パイル・カーディガン」を着ていたんですよ。

―「レトロ・パイル・カーディガン」は1988年から1991年まで製造されていた、現在の「クラシック・レトロX・ジャケット」の原型ですね。

甲斐: ぼくも欲しくなったけど、そのお店には売っていなかったから、目白にある〈パタゴニア〉のショップへ買いに行きました。「レトロ・パイル・カーディガン」は売っていなかったけど、「レトロ・カーディガン」は売っていました。27,000円だったかな。日払いのバイトをして買ったから、値段を今でも覚えています(笑)。

―〈パタゴニア〉はフリースの印象が強く残っていると。

甲斐: そうですね。フリースといえば〈パタゴニア〉。その当時はフリースなどの機能素材によって、アウトドアウエアが変わってきた時期でした。いろんな新しい素材やスタイルを知るのがおもしろくて、ぼくもアウトドアにハマりました。

―現在は「BAMBOO SHOOTS」でも〈パタゴニア〉をセレクトしています。

甲斐: 2009年から販売させてもらっています。お店で取り扱う商品は、自信を持って売りたいじゃないですか。〈パタゴニア〉の環境に対する姿勢に共感しているから、安心してお客さんにおすすめできるブランドを販売したかったんです。

INFORMATION

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