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パタゴニアのレトロXがリニューアル。過去と未来をつなぐ、新たな魅力。Vol.02 河内直哉(THE DAY ディレクター)
Reborn Patagonia Retro-X

パタゴニアのレトロXがリニューアル。過去と未来をつなぐ、新たな魅力。
Vol.02 河内直哉(THE DAY ディレクター)

アウトドアシーンのみならず普段着としても浸透しているフリースを生み出した〈パタゴニア(Patagonia)〉。原型を含めると30年以上の歴史を持つフリース「レトロX」が今季リニューアルを果たしましたが、それは〈パタゴニア〉にとって重大な意義があるんです。これまでも、これからも、ずっと愛され続ける「レトロX」の魅力を2人に紐解いてもらいます。ふたりめは、〈ザ・デイ(THE DAY)〉ディレクターの河内直哉さん。

伝統と革新が交差した仕上がり。

―フリースなのに防風性があるのが「レトロX」の特徴ですもんね。

河内: フリースはシェルのインナーとして着るものだったけど、「レトロX」は防風性を備えたことでアウターとして着られるようになって、フリースの概念を覆したと思っています。自転車に乗っていると、気温より風に寒さを感じることがよく分かるんです。

―確かに、防風性のあるフリースは画期的でした。

河内: カタログによるとリリース当時は、フリース・防風フィルム・「キャプリーン」の3層構造だったみたいです。その後、裏地は「キャプリーン」から長年のスタンダードだったメッシュ素材になって。

―そのメッシュ素材の裏地は、今季からリサイクル素材100%のタフタ生地に代わり、防風フィルムが使用されなくなりました。それによって、2025年の終わりまでにバージン・ポリエステルの使用を廃止するという〈パタゴニア〉が掲げていた目標が達成されたんです。つまり「レトロX」の防風性が最後の課題だった。

河内: すべての製品にリサイクル・ポリエステルを使うのはすごいことだと思います。〈パタゴニア〉は’93年からフリースにリサイクル素材を使っている先駆けですけど、防風性を損なうことなくリサイクル素材でカバーするのは大変だったはず。

―リニューアルされた「クラシック・レトロX・ジャケット」、ぜひ着てみてください。

河内: とにかく軽いですね。防風フィルムのパリッと感がなくて柔らかい。最初から体に馴染んでいます。

―裏地をリサイクル素材に変えた副産物として着心地がよくなりました。サイズ感はゆったりとしたシルエットに。

河内: シルエットは「レトロX」の原型の「レトロ・パイル・カーディガン」や「クラシック・レトロ・カーディガン」に近い気がします。〈パタゴニア〉の製品は、腕や身幅が細い印象でしたが、これはゆったりとしていて’90年代とかの〈パタゴニア〉を着ているような感覚。スエットやセーターも余裕で着込めます。

―胸ポケットは「クラシック・レトロ・カーディガン」のデザインがモチーフになっています。ちなみに、そのカラーリングはCascade Greenという名前です。

河内: 色味はHunterとそっくりですね。’90年代の「レトロX」に、HunterとRegal Purpleっていう、グリーンとパープルの配色があったんですよ。その組み合わせに似ていていいですね。

―「クラシック・レトロX・ベスト」はいかがですか?

河内: ベストもいいですね。ベストはインナーでしか着たことがなかったけど、「クラシック・レトロX・ベスト」ならアウターとして着たいと思います。カラーリングは「レトロ・パイル・カーディガン」の伝統的な配色で最高です。

―「レトロX」のリニューアルを記念して、今季限定でこのカラーだけ、’70年代の旧タグが復刻しています。そして今季から「レトロX」にフーディも登場しました。

河内: 印象が全然違う。胸ポケットがないんですね。フーディがラインナップしたことで、もっと多くのひとが「レトロX」を手に取る機会が増えて、「レトロX」の新しい魅力になると思います。

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