高速に乗ることで知った、もうひとつの顔。
東名高速に乗ると、EVの本質がはっきり見えてきました。踏めば即座に反応し、ガソリン車に見られるエンジンの唸りがないままスピードに乗っていく。
「100キロ近くでも、感覚的には70キロくらいというか。まったく揺れないし、クルマが頑張っている感じもしない。いい意味で、飛ばせすぎちゃう怖さがありますよね」と安島さんは笑います。
静粛性についても、独特の驚きがあったようです。
「いま乗っているクルマだと、高速では音楽も爆音にしないと聴こえないんですけど、このクルマは普通の音量でも会話ができる。後部座席のひととも話せるっていうのが、地味にすごいですよね」
東名を走ること約30分。クルマの特性に気づいたところで、次はクルマに搭載されているProPILOT 2.0を試してみることに。どういう状況で作動し、どういう状況でドライバーに制御を戻すのか。安島さんはハンドルを握りながら、真剣な面持ちでProPILOT 2.0のボタンに手をかけます。
そもそも、ProPILOT 2.0とは何かというと、高速道路走行時に作動するシステムです。設定した車速と前走車との車間距離を自動でコントロールし、ステアリング操作も補助しながら車線の中央をキープし続けます。さらに、ナビと連動して分岐やカーブの情報を先読みして、速度を自動調整するのも特徴のひとつ。もちろんアクセルとブレーキの使用頻度がより高くなる渋滞時も作動します。
そして一定の条件が整うと、ハンドルから完全に手を離した「ハンズオフ」状態での走行が可能になります。しかも、足もアクセル踏まずで大丈夫です。その間も、ドライバーモニタリングシステムが視線や頭の向きを常に監視。脇見や居眠りを感知すると警告を発し、ドライバーへ制御を戻すよう促します。“自動”と“人”の間を、安全に行き来するための仕組みです。助っ人ドライバーを雇った、みたいな感覚で考えてもらえると分かりやすいかもしれません。
「最初は正直、怖いなというイメージがありました。でも何度かトライするうちに、あ、こういうものなのか、と。恐る恐るだったのが、少し違う気持ちになってきたというか…」
知ることで、距離が縮まる。それは恋愛みたいなもの。そのプロセスが、この日の後半への伏線になっていきます。そうこうしているうちに、気づけば目的地を通り越し、箱根にたどり着いていました。ProPILOT 2.0、恐るべし。