時計はそのひとのストーリー。
―ファッションの話も聞かせてください。大陸さんのコレクションは毎シーズン、映画がテーマですが、そのきっかけは?
大陸: 学生のときにコンセプトの立て方が分からなくて。あるとき、自分の好きなものをそのままテーマにしてしまえばいいと気づいて。上京に伴い、大阪の専門学校を卒業するタイミングに映画の『卒業』をテーマにしたコレクションをつくったのが最初です。高校の頃、奈良から大阪のアメ村に出て古着に目覚めて、アメリカ映画の俳優が着ているレザージャケットやデニムジャケットに夢中になったのが入り口ですね。それから映画のファッションを意識して観るようになって、シャツのラペルの形とかステッチの色とか、そういうところが気になりはじめました。
青木: 面白いですよね。ぼく、〈ダイリク〉のデニムを3、4年ずっとボロボロになるくらい穿き続けていて。ポケットに穴が開いてて、スマホが落ちそうだからそろそろ縫おうと思っているんですが、なかなか(笑)。そういう、長く使えるものへの愛着がすごくあります。
―普段から時計は着用されますか?
大陸: スーツを着るような結婚式とか、そういう場では時計がセットな感じがします。スーツと時計、みたいな。勝手なイメージですけど、スパイ映画の影響かもしれない(笑)。そういうときはつけたくなるし、欲しくなる。時計がここにあることで、より上品に見えて、気持ちを上げてくれる。単純ではありますが、リアルな感情だと思います。
青木: ぼくは仕事以外の時間はほぼつけています。ファッション自体はかなりシンプルで、愛着の湧くものを長く使いたいタイプです。アクセサリーにも興味はあるんですけど、まだ自分にフィットしない感じがあって。でも時計は、アクセサリーとはちょっと違う感覚で、ゴールドとかシルバーとか、自分の機嫌をよくしてくれるビジュアルとして、すんなりとファッションに落とし込める感覚があって。あとは、どんなにシンプルなデザインでも、つけているだけでそのひとなりのストーリーが垣間見える気がするので、街で時計をしているひとを、ついじっと観てしまうんですよね。
大陸: 分かります。つけている時計でそのひとの性格が分かりそうな感じもありますよね。
青木: そうなんですよ。めちゃくちゃゴールドをつけているひとも、2,000円くらいで買ったものをつけているひとも、どちらにもカッコよさがある。ぼくは普段ラグジュアリーというよりは、ミリタリー系とかコンパクトなヴィンテージウォッチをつけることが多いんですが、時計って本当に面白いなと思います。