白いステッチが生む、抜け感。
―お二人が着用されている〈ハミルトン〉の「カーキ フィールド マーフ」にはレザーベルトとメタルブレスレットのタイプがありますが、着用感やデザインの魅力を聞かせてください。
大陸: 青木さんは、普段レザーベルトをつけますか?
青木: 好きですね、レザーベルト。最初はちょっと固くて、つけるたびになじんでいくのがたまらないし、徐々に自分のものになっていく感じに愛着が湧きます。それで、この “マーフウォッチ” の白のステッチが個人的にすごくときめきます。真っ黒だけだとちょっと重くなるところに、このステッチが入ることで抜け感が生まれるというか、大人すぎず、ちょっとした遊び心がある感じがして。「常にフラットでいたいけど、どこか抜けていたい」という自分の感覚と、このデザインがすごくリンクしているんです。サイズは38mmで、小ぶりなものが骨格的にも合っていてちょうどいいなと。
大陸: ぼくのは42mmです。青木さんの話を聞いていて、さっきのデニムと同じで、だんだん自分の形に寄っていって愛着が湧くものが好きなんだなって。このステッチも、黒じゃなくて白を入れることでアクセントになるというか。デニムのステッチと同じくらいの太い糸を使っているから光りやすくて、カジュアルなスタイルにもすごく合う気がしますね。
青木: そうですね。モードやストリートというよりは、アメカジ寄りで、どちらでもない絶妙なラインが好きですね。そういうスタイルになじむ時計や小物をだいぶ集めてきた感じです。
―大陸さんは岡山の職人にデニムのステッチをお願いするほどのこだわりをお持ちですよね。 “マーフウォッチ” のステッチを見てどう感じましたか?
大陸: ステッチって、1本の色が変わるだけで全然違うものになるんですよ。ブラックデニムに白いステッチが入ったら形がはっきりして全然別物になるし、インディゴに茶金のステッチって、あれはすごい発明だと思います。同系色のネイビーで走らせているところもあれば、あえて黄色に変えているところもあったりして。ミシンの糸を変えるのは手間のかかることなのに、そこまでやる。赤でも青でもよかったところを白にすることで、クラシックな品が出る。ステッチ幅もそうで、これが半分の幅だったら印象がまた変わってくる。そういう細部の意味を大切にしているのが、このベルトからもちゃんと伝わってきますね。
―文字盤は黒と白がありますが、お二人はどちら派ですか?
大陸: ぼくは普段から黒ばかりですね。着るものも黒が多いのでなじむというのもあるし、なんか落ち着いていて。白が嫌いというわけじゃないんですけど、気づいたら黒を選んでいます。
青木: ぼくは今回がはじめての黒です。最初に白いものを手に入れてその流れですべて白だったんですが、黒はすごく見やすい。白も見やすかったけど、黒はカッコいいなって今回気づきました。時計を選ぶときに視認性って結構重要で、文字盤に数字が振られていないデザインもカッコいいなと思って持ってはいるんですが、“マーフウォッチ” みたいにデザインに振りすぎず視認性がちゃんとある、というのは自分の中では相当大事な条件です。25歳になって、そろそろ黒文字盤もいいかなとちょうど思っていたタイミングでもありましたね。
―もしこの “マーフウォッチ” を監督から何の説明もなく渡されたとしたら、どんなキャラクターを想像しますか?
青木: うーん…、荷物が少ないひと、だと思います。服は丈夫だけど汚れてもいい、みたいな感じで、でも時計だけはちゃんとつけている。それもあまり主張しない感じで、よく見たら “マーフウォッチ”、みたいな。身軽に家を出られる、ミニマルな暮らしをしているひとのイメージが浮かびますね。